平方録

ふた昔の時を経て…

ここ数年「いずれは…」と思い続けてきたが、そのいずれが昨日実現した。

円覚寺の夏期講座で鈴木大拙の秘書を15年も務めた女性の話の中に出てきた、禅の教えでいうところの「即今」を地で行くような出来事に何か因縁めいたものを感じたが、もとより全く関係ない話である。
我ながら回りくどい書き方である。もったいぶっているともいえる。いい加減にしよう。
つまり、20年間もわが家を留守にしていたレコードプレーヤーが戻ってきたんである。

数日前から「いずれ」を実現させたいなという気持ちが募ってきていて、これは今年のわが家のバラが例年になくきれいに咲いたことと無縁ではないのだが、つまり何となくうれしい日々が続いていて、「そうだ、レコードプレーヤーを探そう!」という気持ちになっていたんである。

本屋でオーディオ関連の雑誌や単行本を見ていたら、1万円程度ながら、こぞって推奨されている機種があり、ふ~んという思いでいたんである。
そうしたある日、何気なく家電量販店のオーディオコーナーを覗いていたら「当店売り上げNo2」という表示を張られたプレーヤに目が止まり、メーカーや型番などを確かめてみたら、数日前にふ~んと思った機種だったのだ。
プレーヤーの方から進んで声をかけてきてくれたようなものである。

で、家に戻って大蔵大臣の(この言い方は古いけれどね…)妻に猫なで声で資金提供を申し出たところ快諾してくれて、いそいそと買いに行ってきたという訳である。
レコードをかけるのは実に20年ぶりである。ふた昔ということになる。ふた昔ぶりに我が家にレコードプレーヤーが復活したんである。

いやもう、素晴らしいの一言に尽きますナ。
柔らかな音質、深みのある音色…。ボクをやさしく包み込んでくるんですね。
まるでオーケストラの生演奏を聴いている、ってのはちょっと言い過ぎだとしても、音そのものが温かいんである。生きていると言い換えてもいい。
どれひとつとってもデジタル音源によるものとは雲泥の差で、これほどの差があるなんて夢にも思っていなかったから、もうびっくりである。
第一聞いていて本当に心地よくなってくるのが分かるほどなのである。

ボクはもともと感激したり興奮したりするとテンションだ上がり、何事もオーバー気味になるのだが、それにしたって、もうびっくりである。
手始めにたまたま引き抜いたサバリッシュ指揮、ウイーンフィル演奏のフィリップス社製のレコードでハイドンの交響曲92番「オックスフォード」と裏面の同じく94番「驚愕」を続けて聞いたのだが、ハイドンのこの曲がこんなにも名曲だったのか、改めて思い知らされる思いである。
間もなく梅雨に入るらしいが、雨の日の楽しみが一つ増えた。というか、当面、はまりそうである。


レコードはわずか7~80枚しかないが、ステレオ装置を置いてある飾り棚の一角にきちんとビニールケースに収められたまま、保存されてきたんである。
すべてLPで、チラッと見たら童謡などもあったから娘がまだ小さかったころに買ってきたもののようである。
それ以外はクラシックの楽曲である。

元来湿気の多い土地だが、数枚の盤面を点検したところではカビも生えていないし、保存状態が良好なのもうれしい。
この先、中古レコードでもあさり始めることになるんだろうか。
でもやっぱり主力はCDで、これを疎んじるわけにもいかないんだよなぁ。





ジャ~ン ‼ 20年ぶりに登場したレコードプレーヤー。廉価版ながらなかなか良い音を再現してくれるのだ


わが家からレコードプレーヤーが消えた翌年に誕生した「サハラ98」
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事