間違いない、ウグイスの地鳴きだ。
ウグイスに限っては笹鳴きとも言う。
あの澄み切った音色の「ホォ~ホケキョォ~」という鳴き声は繁殖期特有のもので、普段は仲間との交信や威嚇、警戒の類に至るまで、この地鳴きが言ってみれば普段着の声なのだが、話題になることはほとんどない。
普段着の声であろうとも、この鳴き声を耳にすると「あぁ、やっぱりボクたちのすぐそばで暮らしているんだなぁ」と改めてその距離の近さにホッとする。
それに気が付くと、じゃあ初音はもう時間の問題だなと、改めて期待が高まるのである。
昨日のブログで初音を待ち焦がれる心の内を書いたばかりだったので、ウグイスから「もうすぐですからね、心配ご無用ですよ」という答えが返ってきたようで、ことさら嬉しい。
「初音」と言えばウグイスの早春の鳴き声を指し、普段の鳴き声ですら「笹鳴き」と呼んで特別扱いにする。
だから『ウグイスの初音』と書くのも『ウグイスの笹鳴き』と書くのも間違いでなないが『馬から落ちて落馬する』の類の言い回しだと承知しておくといい。
日本人から愛されて止まないウグイスのウグイスたるゆえんがここにある。
今朝起きてまだ闇に閉ざされたままの窓の外に目を凝らしたが、普段の景色が濡れているだけである。
ひょっとして銀世界が広がっていたら…と、半ば恐る恐る見たのだが、その心配はなかった。
銀世界は嫌いではないが、家の前の坂道の除雪作業は面倒だし、寒いのも苦手だから冬そのものを敬遠する気持ちが勝ってしまう。
で、ほっと胸をなでおろしたというわけなのだ。
それより久しぶりの雨が嬉しい。
せん定の終わったバラ、わけても地植えのバラについては特段水やりもしていなかったので、一雨欲しい所だと思っていたのだ。
バラだけでなく、下草替わりに植えているパンジーやネモフィラ、アネモネなどの植物も乾燥にじっと耐えている風で、寒さと乾燥で踏んだり蹴ったり状態にあった。
昨夜は音を立てて雨が降っていたからソコソコの雨量があったのだと思う。
これで一息つけた。
目と鼻の先に迫った立春が過ぎれば昨日のように西高東低の気圧配置が崩れ、周期的に低気圧がやって来る季節になる。
そうすれば、それこそ「一雨ごとに春が近づいてくる」わけで、それも大股でやって来てくれるはずなのだ。
大股で歩く佐保姫様の姿は少しはしたない感じもするが、急いでいる時はそんなことは言っていられまい。裾をからげるわけではないので、そこは大目に見ようじゃないの。
地鳴きを間近に聞いてウグイスがすぐそばにいることを再認識したし、春を呼ぶ雨も降り始めた。
イイ感じで如月がスタートを切ったものである♪

随分と膨らみを増したモクレンのつぼみ=円覚寺佛日庵

こちらはミツマタのつぼみ=浄智寺