金婚式のお祝いにプレゼントされたホテルでの1泊が明けた翌日、山手の丘の上に建つ大佛次郎館を覗いたのがきっかけだった。
図書室に並んだ著作の中から気になってメモしておいた数冊を家に帰ってからネットで検索すると、手に入る本が何冊かあり、それがいま手元に届いた♪
鶴見俊介コレクション『鞍馬天狗1』角兵衛獅子と随筆集『旅の誘い』の2冊。
鞍馬天狗の登場は昭和2年の雑誌少年倶楽部が最初だそうだから、ボクらの世代の二回りほど年上の連中たちの手に汗を握らせた少年向け時代小説である。
したがって、ボクらが物心つき始めてク・ラ・マ・テ・ン・グをという痛快なヒーローの存在を知ったのは、いわば「遅れて来た少年」という時間経過の中だった。
そんなわけで、雑誌の発売を胸をときめかして待ちわびるという生々しい体験をしたわけでもないが、頭巾で頭と顔を覆ったアラカンが馬に乗ってどこからともなく現れ、みなし子杉作を助ける光景を映画館や漫画雑誌で瞼の奥に焼き付けたのだった。
(テレビが普及するずっと以前の事で、テレビが各家庭に普及するのは1959年4月10日に今の上皇ご夫妻の結婚式がテレビ中継されるまで待たなければならなかった)
今の人はアラカンと言えばアラフォーとかアラフィフと同様、還暦前後の人の事だと思うかもしれないが、ここで言うアラカンは俳優・嵐寛十郎の事で、嵐寛十郎と言えば鞍馬天狗だった。
次のヒーローとしてオートバイにまたがった月光仮面が登場するのは、鞍馬天狗にあやかろうとした映像制作会社が、いわば鞍馬天狗をパクって黒覆面を白い仮面に、馬の代わりにはオートバイに乗せたまでの事である。
きっと月光仮面誕生にかかわった人々の中には鞍馬天狗に胸をときめかせて成長した往時の子どもが混じっていたに違いない。
と言うより、みんな天狗ファンだったのだろう。
近所の寺のハスのツボミがだいぶ膨らんできた
ノウゼンカヅラはもう真っ盛り
間もなくアジサイと共演するハスの花が見られそう
山の上には墓地がある
階段を下って来ると竹藪が目に入る
氷イチゴ始めました♪
近くの家の崖面にヤマユリが群れ咲いていた
芳香が辺りに満ち満ちて…