ブログをほぼ書き上げたころだった。
明るくなり始めた窓の外に広がる青氷のような薄い空の色を見ながら、今日もよく晴れそうだと思った瞬間に身体が微細な振動を嗅ぎ分けた。
ん ! 地震かな ?
それからほんの数秒すると、いきなりドスンと響くような縦揺れを感じて身を揺さぶられることになった。
と言っても揺れそのものはそれほどひどいものではなく、後で知ったのだが震度3の‶いつものヤツ〟クラスのものだったから、特段驚きもしなかった。
特に我が家は固い岩盤の上に建っているので揺れはいつも発表される震度より実際のところは小さめに現れる。
震度3と言っても実際はもう少し控えめにしか揺れなかったはずである。
そんなわけで、ほとんど関心を抱かなかったのだが、ブログを書きあげて投稿した後、朝食を食べに下りた階下のリビングのテレビが震源が山梨県で今朝はこれで3度目の地震で、しかも震度は5弱もあったと言っている。
おまけに、富士山の噴火と結び付けて火山学者をインタビューして「可能性は否定できない」などと言わせている。
2011年の東日本大地震の直後、富士山を震源とする比較的大きな地震があり、数多の火山学者は「ついに来たるべきものが来たか」と緊張がピークに達したそうだが、その後はご承知の通り何事も無く過ぎているが、「いつ噴火してもおかしくない」と言われる富士山だけに、寝た子を呼び覚まされた思いだった。
ボクが富士山の写真を撮り続けているのは美しい姿そのものに魅かれるとこともさることながら、定期的に撮ることで何がしかの変化が写り込んでやしないかという期待を込めての事でもある。
目に見えるほどの変化が現れるものかどうか怪しいが、長い期間に渡って定点観測の結果を比較していくことで浮かび上がるものもあるかもしれないではないか。
去年は南側の宝永噴火口付近の雪がすぐに解けてしまい、北側には例年通りの雪が積もっていても南斜面には申し訳程度にしか白いものがなかったことがある。
ネットで検索してみると、静岡県に住む人の一部の人たちの間では「今年の雪の少なさは普段の年と違う。何だかヘンだ」という書き込みを幾つか見つけて、やっぱりなと思ったものだ。
ただし、気象庁のホームページには変化に注目するような記述は一行も出ていなかったし、そういう類のことを喜んで放送するワイドショーも知らん顔をしていた。
今でもあれはなんだったんだろうと思う。
そして山梨の震度5弱からほんの3時間後には今度は南海トラフ大地震の想定震源域内の和歌山県でも震度5弱の地震があった。
これだって「30年以内の発生確率が70~80%」といわれる超巨大地震との関連が懸念され、実に嫌な気分の朝を迎えていたのだ。
いずれも「無関係」「心配することはない」という専門家の見解が伝わって胸をなでおろしたのだが、南海トラフの北端は伊豆半島の付け根だし、その伊豆半島のすぐ北側には富士山がデンとそびえている。
どちらが先かは知らないけれど、互いが無関係でいてくれればいいが、もし影響し合うというようなことがあれば太平洋岸の人口密集地帯は壊滅状態に陥ることだろう。
そしてこの2つ以外にも首都圏直下型地震や関東大震災級の南関東大地震発生の懸念も付きまとう。
神戸淡路大地震や東日本大震災などの被害のひどさを見てきただけに、これらを突き詰めて考えれば「生きた心地がしなくなる」くらいコワイが、逃げ出すわけにもいかない。
せめて再再度、防災総点検でもしてわが家の備えだけは遺漏のないようにしておこうと思う。
「来る」にしたって、いつ来るかが分かり、「その瞬間」を安全なところで身構えて待つことさえできれば随分と違うんだろうになぁ…
もしも…の時、高みの見物でいられるならいいのだが…