「やあ、ハっつあん、久しぶりじゃねぇ~か」
「あぁ、熊さん、久しぶりぃ♪」
「どしたいハっつあん、新聞記事見てナニ感心してんだい」
「あぁ、これな。全国の地方新聞に昨日載った『平和に関する全国世論調査』の結果だよ」
「へぇ~、そんな硬いテーマに興味があったのかい」
「やだなぁ、オイラは戦争だけはゴメンだって、ガキの頃から思ってんだよ。じいちゃんばあちゃんから太平洋戦争でたくさんの人が目の前で死んだ話や食べるものがなくて困った話を散々聞かされてさぁ…。何てったって平和が一番だよ」
「そうだったのか、見直したぜ。オレも戦争だけはイヤだね。でもなぁ、多くの犠牲者を出し、近隣諸国に迷惑をかけた反省から憲法9条で戦争の放棄を宣言したってのに、アベなんちゃらが『解釈改憲』だとか言って、憲法が禁止している集団的自衛権の行使を認めちまったからなぁ。戦争に巻き込まれる恐れはかなりのもんだぜ」
「熊さんのいうとおりだよ。この調査でもさ、『日本が戦争をする可能性がある』と答えた人が48%にも達してるんだよ。2年前の調査に比べて16%も増えてんだぜ」
「う~ん、ウクライナでも戦争してるしなぁ、台湾海峡の波もかなり高い。尖閣もあるしなぁ…。なんかヤバそうだって感じてる人が少なくないってことなんだろうなぁ」
「そういう、何となく不安な気持ちでいるところに、死んじゃったけどアベなんちゃらが『防衛費をGDP比2%まで大幅に増やせ』『アメリカの核兵器を共有できるようにして日本に核兵器を常備すべきだ』『敵基地を攻撃する能力だって持つべきだ』だとか、ソーリダイジン投げ出したくせに言いたい放題だったから、不安に感じる人が増えたのも無理はないだろうね」
「うん、ハっつあんの言うとおりだよ。何となく歯止めが無くなりかけてたもんな」
「でもさ、ちょっと日本人を見直したって言うかさ、案外バランス感覚の取れた考え方をしてるなぁとも思ってんだ」
「へぇ~、どんなとこがさ?」
「あのさ、戦争回避に最も重要と思う手段についての設問に『平和に向け日本が外交に力を注ぐ』がトップで32%あったほか、『戦争放棄を掲げた日本国憲法の順守』が24%もあってさ、この2つで半数を超えてんだよ。アベなんちゃらたちの言う『軍備の大幅増強』はたったの15%だったのさ」
「へぇ~、こりゃちょっと驚いたなぁ、意外だったなぁ~!」
「だろう! 憲法9条で戦争の放棄を誓ってるんだし、戦争にならないように常日頃から外交努力を重ねて友好関係を築き、維持して行こうよってんだから、もうオイラ同感も同感、ちょっと嬉しくなっちまったんだよ」
「そうだなぁ、政治家の言ってることと正反対だもんなぁ。国民の方が堅実で、地に脚が着いてんじゃん♪」
「だろぉ、アベなんちゃらを筆頭に政治家の一部は国民を扇動して不安を掻き立て、日本を戦前のような軍事大国にしようと目論んでんだぜ。そんなことには騙されませんぜってのが、今回の調査結果から垣間見えるって寸法さ。それにさ『戦争の脅威』を感じているのを世代別にみると、60代以上の高齢層が最も低くて45%、次いで40~50代の中間層で48%と続き、30代以下の若年層になると53%にも跳ね上がっているのさ。戦場に駆り出されるという身の危険を肌で感じるんだろうな。当然だよ」
「ふ~ん、そいつは意外だな。最近の若者は自分は関係ないと思ってる奴らばかりかと思ってたぜ。そうでもないようだな。身につまされるようになってきたってことか?」
「どっちにしたってさ、戦争したがってるのはアベなんちゃらを筆頭にした一部の政治家だけで、国民の大部分ははっきり『ヤダッ!』て思ってるってことだよ」
「戦場に駆り出されたらスマホばかり見てるわけにゃいかないもんな。深夜のロジョーで酒盛りして大騒ぎするなんて論外だしな」
「『軍備強化より外交』って考える人が多いっていうのは、日本も捨てたもんじゃないぜ♪」
「ホントだね」
(見出し写真は庭のホォ~センカ)