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平方録

宇宙からの証拠写真

15日のブログに「見にきちゃダメだよ ! 」というタイトルで書いたエメラルドグリーンの相模湾。
その美しくも非日常の光景について〝5日遅れの便りを乗せてぇ~♪〟とばかりに地元の新聞社が昨日19日になってようやく報道した。
まっ、業界用語でいうところの「後追い」ですかな ♪
それも1面に?!
検察官の定年延長を可能にする法案の今国会提出断念のニュースの隣に並べているのだから、事の珍しさにようやく気付いたんだろうが、何とも長い道のりをかけてたどり着いたものだ。
コロナばかりがニュースじゃあるまいし、もっと目の前に転がっていることにも目を向けてもらいたいものだと、歯がゆく思っていただけに、「やっと…」の嘆息は浅からぬものがある。

それはともかく、5日も遅れた分、いろいろなことが研究者によって解明されたらしく、中身はそこそこに詳しかったのは、当たり前だけどご同慶の至り。
カネを取って読ませている商業紙なんだから、その辺りは肝に銘じておいてもらいたいもんだ。

ボクが電話したのは県の水産技術センターで、個人的な興味だけの質問に丁寧に答えてくれたもので恐縮してあまり根掘り葉掘り聞けなかったのだが、その疑問はあらかた解消された。
〝5日遅れの便り〟によると、取材先は真鶴半島にある横浜国立大学臨海環境センターの教授で、「円石藻」(えんせきそう)という植物プランクトンによるものだろうという。
円石藻は細胞の表面が炭酸カルシウムに覆われて葉緑体を持ち、海面が白く濁ったり、エメラルドグリーンに見えたりするのだという。
葉緑体を持っているがゆえに光合成が行われ、太陽の光が強ければ強いほど光合成が活発になって、いよいよ白濁するって寸法らしい。
このため「赤潮」や「青潮」に対して「白潮」と呼ばれているそうな。
2007年に博多湾の広範囲で発生して海中の視界不良によって素潜り量に影響したり、一部で魚が寄り付かなくなったりしたが、有害なものではないらしい。
…というようなことが記事で判明した。
惜しむらくは、なぜ円石藻が大量に発生したのかという点について触れていたら、なお一層よかったのだが。

さて、下の写真をとくとご覧あれ
これはJAXA(宇宙航空研究開発機構)が運用を始めた地球観測衛星「しきさい」が17日に撮影して送ってきた画像だが、相模湾一帯にエメラルドグリーンの帯が広範囲に漂っている様子が捉えられていた。
画面中央やや右手上方に小さなほくろのようなポチッとした点が見えるが、これが江ノ島だから、まさにボクが見ていたのはこの辺り一帯の海面であって、まさかここまで広がっているとは思いもよらなかったので、ちょっとびっくりした。

そしてボクはブログで「こんな光景は初めて見た ! 」とヘェ~ ! ホォ~ ! を連発したが、案の定、横浜国立大学の先生も「これほど広範囲に観測されたのは初めてなんじゃないか」とコメントしている。
まっ、コロナで自粛させられている最中に、天は珍しいショーを繰り広げてくれて無聊をかこっているボクたちを慰めてくれたってことか。
それにしてもエメラルドグリーンの海はまだ続いているよ。
いつまで続くんだろう。

5月14日 稲村ケ崎から撮影

同上 七里ヶ浜の国道134号を走行中の車から撮影


同上 散歩中の鎌倉山から撮影 この時の海の色の2分割で〝異変〟を知る

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