平方録

木の下闇の僥倖に浸る

梅雨入りしちゃったんだそうである。

昨夜遅くになってパラパラ来たようだけど、日中は一滴も降らず、ピンときませんなぁ。
関東地方ではこれでも平年より1日早く、去年より2日遅いんだそうである。
そして平年の梅雨明けは7月21日ごろで、去年は7月29日ごろだったそうだから、6週間から7週間梅雨空が続くことになるのだ。

ボクは太陽のエネルギーを浴びていないとエネルギーチャージができない種類の人間だから、太陽が顔を出さない季節というのは大の苦手で、死んだも同然なのである。
エネルギーを小出しにしながら、真夏の太陽に身をゆだねるまでの間、完全なガス欠にならないように注意しなければいけないんである。
何とも憂鬱な季節の到来である。
願うのはただ一つ。カラ梅雨気味に推移してくれて、しょっちゅう輝く太陽の顔が見られるといいと思っている。

わが家のバラもだいぶくたびれてきたし、こうして梅雨入りのニュースなど目の当たりにするとつくづく諸行無常を感じ、ゆく河の流れは絶えずして…という一文が脳裏をよぎる。
幸いなことに、つい先日買ってきた廉価版のレコードプレーヤーがとても柔らかくてたおやかな音色を奏でてくれているので、昨日の曇天でも家にいてクラシックのLPを4枚も聞いて心豊かに過ごすことが出来たのは、これから先を考えると頼もしくも心強く、楽しみなことでもあるのだ。

昨日はどういう訳か熱病に侵されたように集中して聞いた。
ベートーベンの曲ばかり、ピアノ協奏曲の1~4番、ピアノソナタの8番と23番。
前の日にピアノ協奏曲の5番を聞いていたので、ベートーベンのピアノ協奏曲はすべて聞いたわけである。
ウィルヘルム・バックハウスというかつて一世を風靡したピアニストがイッセルシュテット指揮のウィーンフィルと共演したシリーズの盤である。
しょっちゅう聴いていなかったと見えて、レコードは新品同様で変なノイズもなく、とても素晴らしい。まるで購入当時の2、30年前にタイムスリップしたかのようである。
こういうこともあるのだ。
木の下闇の薄暗い居間は、こうして美しい音に深く浸るのに格好の環境を提供してくれているのも僥倖である。

梅雨時が厄介なのはバラにうどんこ病や黒星病が出やすくなることである。
バラには盛りが2度あって、秋バラというのも十分に美しいんである。
初夏のバラに対して秋バラは蕾がゆっくりゆっくり膨らんでいくので、花そのものの大きさは初夏に比べると小ぶりになるが、その代わり香りがとても強くなるのである。
時間をかける分、香りが熟成される感じなのだ。

この2度目のバラを楽しむためには、何としても病害虫を防がなければならない。
で、大量の農薬をまくのは主義に合わないから、病気が出かかったときに素早く対症療法で抑え込むのに定評のある散布薬があるので、もとより万能ではないが、せめてこれくらいは用意しておこうという気になってホームセンターへ行ってきた。

ついでにルッコラの種を180円で、透き通った空色の花を咲かせるアサガオの種を145円で買っていそいそと戻ってきたんである。
一筋の光明がちらっと見えることもあるのだ。



ヤマボウシの白い花にピンク色が差した花が数輪混じっている。このまま定着したら新種ということになる?


ヤマボウシのミルキーウェイ種。まさに銀河星雲


ど根性越冬トマトの子孫も25センチほどに成長してきた
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