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平方録

意志のない所にも道は出来る

午前4時を20分ほど過ぎた。

パソコンを立ち上げ、さて…と、まずは見出し写真探しを始める。

書くテーマが決まっていれば、それにふさわしい写真を探せば済むのだが、まだ何を書こうか決めていない段階では本来写真選びは無理なはずだが、そんなことは構わない。

普段あまり役に立ちそうもなくお蔵入りしている写真の中には二刀流どころか、もっとたくさんのポジションを務めることのできるユーティリティープレーヤーみたいなものが転がっている。

そうして文章が書き上がった後で最初は何の脈絡もなく選んでおいたはずの写真が、出来上がった文章と何となくしっくり合う時があったりして、してやったりとニンマリするのである。

どこだかの国の格言の一つに「意志のある所に道はある」というのがあったような気がするが、この写真選びの場合は「意志のない所にも道は出来る」という、実に楽チンな結果をもたらすことがままあるのである。

 

それにしても今朝は寒い。

パソコン脇のデジタル時計に表示される室内温度は今冬最も低い11℃しかない。

起きてすぐにガスストーブに点火したのだが、普段はものの10分もかからないうちに部屋中がポカポカと温まるのだが、今朝はさすがにそうはいかず、なかなか温まらない。

気付け薬に甘いコアントローをなめたりもして、身体の内側からも暖を取る。

今冬初めて手に入れた「着るこたつ」と呼ばれるニクロム線入りのベストの暖房スイッチを入れて首の付け根と背中の一部を温めながらようやく人心地が付くありさまである。

このベストと気付け薬なかりせば、今頃はまだガスストーブを抱えて丸くなっていただろう。

 

起きてすぐにベランダに出てみたのだが、晴れ上がった夜明け前のまだ真っ暗な空に半月が青白い光を放って冴え冴えと光っている。

満月の半分しかないのに大した光の量である。

全身の素肌にこの青白い月光が反射して、もし見ている人がいたら「オッ!」と思ったろうが、暖かな布団の中で鼻提灯を膨らませている輩はいても、わざわざベッドから抜け出て窓の外を眺める酔狂な人がいるわけがない。

「数年に一度クラス」だという寒波に加え、放射冷却も加わっているから冷えるのも当然で、ほぼ7km離れた同じ海沿いにある気象庁のアメダス記録計によると04:30に-1.2℃を記録していた。

昨日は昼過ぎに鎌倉にもにわか雪が舞って、多分あれが初雪だろうと思うが、空気が凍てついていたのが印象的だった。

午前中に陽光をたっぷり浴びながらのガラス磨きを終えていてよかった。

 

22日の冬至から5日が経過した。

まだ陽が伸びたという実感はないが、明日28日からは9時間47分しかなかった昼間の長さが、わずか1分だけだが伸びる ♪

これぞ形となって表れる一陽来復。

これから一歩ずつだが確実に春に近づいていく。

ウメの便りが聞こえ、ウグイスの初音を待ち焦がれているうちに佐保姫様の御お姿も次第にはっきりしてくるはずである。

 

(わが家の大谷石の石垣の間に根を下ろしたヒメツルソバの花  見出し写真も)

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