「梅雨入り前に…」と思って散髪に行く。
普段は午後遅くにしか行かないのだが、予報に反して青空が広がっていたし、気持ちの良い風が吹いていたので、田んぼの脇の丘に沿った曲がりくねった小道など通ってぶらぶら歩いてみたくなった。
午前中の散発なんて小学生以来だ。
店に入ったのは11時半ごろだと思う。
15分ほど待たされて呼ばれたのが、店の一番奥の席。
今まで一度も見かけたことのない女性だった。
しかもボクよりもずっとオネエサンに見える。
瞬間、意思の疎通をどうしようと考えたが、サービスカードに書かれたボク専用の刈り方を示して「これで」と伝え、後は「カットだけで…」「短くしてください」とだけ言って座る。
オネエサンは短く「ハイ」と言っただけで、短さの程度を聞くわけでなし、何の問い直しも無いまま刈り始める。
理髪店のイスに座るとボクはいつでも目を閉じる。
だから、わが髪の毛がどんな具合に刈り取られて行っているのか分からない。
任せたんだから口出ししない。完全お任せ型である。
すると、15分も過ぎたころ、首から下を覆っている布を外し始めた。
「…?」
大抵…と言うかいつも、刈り終えるとにぎにぎしく鏡を手にした狩り手の店員が「どうです?」とかなんとか言って、後頭部周辺を見せてくれて同意を求めるのだが、今回はそれがない。
無いどころか、いきなり「ハイ、お疲れさま。終わりました」と取り付く島もない。
慌てて正面の大きな鏡の中のボクを見る…
…そこにいたのは、いがぐり頭の中学高校生のような髪型になって少し唖然とした表情で写っているボクである。
刈り上がりの満足度を聞くわけでもなく、なんか文句あっか? あったとしたって聞きゃしないからねっ!もう元に戻らないんだから…という馬耳東風、我関せず、覆水盆に返らず型の態度である。
オネエサン、見かけによらず毅然としている…と言うか…何と言ったらよいか。
敵?ながらあっぱれ。
古希を過ぎてこれまで何度散髪に通ったか分からないが、こういう姿勢で散髪されたのは生まれて初めてである。断言する。
そして思いついたことがある。
待っている間、奥の席に陣取って髪を刈っているオネエサンに対するほかの店員の態度がやけに丁寧だなぁと思ったのだ。
返事ひとつするのに直立不動で「はっ!」とか何とか短く答え、かしこまる。
きっとこの女性がこの店を取り仕切ってきた女将なのだろうと想像すれば合点がいく。
これまで遭遇しなかったのは、午前中だけ店に出ているか曜日が決まっているのか、どちらかだろう。
家に帰ると、山の神が「あらっ、随分さっぱりしたわね。でも上手ね」と見慣れない髪型の感想を口にした。
ボクも鏡を見つめ直して見て、うん、夏だしこういうのもいいか…とナットクするのである。
テリハノイバラの群落もだいぶ花数が増えてきた=茅ケ崎・柳島海岸
相模川の堤防上のサイクリングロードで見かけたワルナスビ
命名者は言わずと知れたマキノマンタロー…じゃなくて牧野富太郎博士
これは川から離れた畑に植えられていたジャガイモの花
ワルナスビはこのナス科のジャガイモの花にそっくり似せているワルぶり
タチアオイ
タチアオイの花がてっぺんまで届くと梅雨が明けると言われてきた
クリの木に花が満開
蜜を吸いに来ている虫が見られなかったので、盛りは過ぎていたのかも
茅ケ崎市と藤沢市にまたがる水田地帯ではハンゲショウがいよいよ白さを増してきていた
ガマの穂もそろい始めた
田植え時期の水田地帯ではヒトの姿が美しい♪