やっと1月が終わった。
〝1月往ぬる〟なんてどこぞのどんな暦を使ったらそうなるのか、ボクには全く見当もつかないくらいで、いい加減なこと言うな ! と怒りたい気分だ。
今年も長かった。
姫が正月に遊びに来て楽しく過ごしたのは、はるかなる忘却の彼方に消え去ってしまっている。
しかし今日から2月。来し方、2月は言い伝えどおりに〝2月逃げる〟を実感できている。
今年はオリンピックの年だからうるう年で1日長い29日あるが、そんなもの訳ないだろう。
4日は『立春』だし二十四節気七十二候に基づけば「東風凍りを解く」とか「黄鶯睍睆く(うぐいすなく)」「魚氷に上る」ときて『雨水』へとつながり「土脈潤い起こる」「霞始めて靆く(たなびく)」へと季節は移ろいでゆく。
そう、春の序章の幕が開ける。
春そのものじゃないけど、寒さの中にも随所に春が顔をのぞかせるってわけ。
これから日足はぐんぐん伸びるし、伸びるに伴って明るさもどんどん増していく。
〝光の春〟…
元々は凍てつくシベリア地方の人たちが肌で感じて使ってきた言葉のようだが、言葉の響きと感じが春を待ちわびる繊細な感覚の日本人の感性にもぴったり合って、日本でも市民権を得てしまった。
逃げるように過ぎ去る2月が終われば、もう野原やちょっとした道端では様々な野の花が咲き始め、やがてサクラも咲き始める ♪
そんな春爛漫も、もう時間の問題なのだが、気になるのはあの新型肺炎の流行の行方。
サクラの花の下でマスクをしながらの宴なんて想像できる ?
上野の山のいつもの大混雑に混じる人たちがマスク姿で宴会を始めたら西郷どんはさぞかしビックリするだろう。
それにしたって、マスクを上げたり下げたりしながら酒を飲み、料理を口にする…
考えただけでも面倒なことだ。
どうするつもりだろ、みんな。
そんな中、満員電車の中で花粉症の人が連続してくしゃみをしたり鼻水を垂らしていたりしたらパニックだろうな。
神経質な人が防護服姿で通勤通学し始めたり…
ややこしくなるばかりかも。
笑い事じゃないな。
春が来る春が来ると浮かれてばかりはいられないってことのようだ。
それもまた寂しいことではある。
君子危うきに近寄らず。しばらくは人混みも閉鎖空間もできるだけ避けようと思う。
過度に神経質になる必要はないと思うが、用心に越したことはない。
ヘンな春になりそうだ、それも大変な…
一昨日歩いた広町の森から眺めた富士山
深い木立に埋もれているので見晴らしの良い場所は限られている