日本の誰もがまだ見たことのない新しい世界が広がる場所の、ドアの把手に手がかかっていた。
その手のかかったドアノブを回して手前に引き寄せさえすればよかった。
まだ見ぬ世界はすぐそこ、まさに手の届くところにあった。
このドアの前に立つまでに、大方の見方が「無理だろう」という、険しく難しい山を2つも越えて来たのに…
なぜか夢にまで見た肝心なドアノブから手を放してしまった。
いやっ、正確に言うとドアノブから手は放していないと思う。
でもドアは目の前から消えてしまった…
サッカーでは、定められた時間内に決着がつかない時、PK戦で勝敗の白黒をつける。
この決め方はサイコロを振って「丁」か「半」かを見るのと同じで、まったくの「運」の世界である。
磨いた技や努力・精進と言ったものとは全く無関係のシロモノだ。
その結果、対戦相手のクロアチアのサイコロの目が出ただけの話で、残念だが仕方がない。
時間内に決着をつけられなければ、自らの運命を自分で決めることが出来なくなる以上、文句は言えない。大人しく従うしかない。
今回のW杯は世界ランク24位のわがニッポンが11位のドイツ、そして7位のスペインに逆転勝ちするという、離れ業をやってのけ世界を驚かせた。
今朝戦ったクロアチアもドイツに次ぐ世界12位の強豪国だが、互角に渡り合った。
あと一歩でベスト8進出という新たな高みからの景色を味わうことはかなわなかったが、別の意味で「まだ味わったことのない強豪国連続撃破」というこれまで成し得なかった成果をもたらした。
これは大いにアッパレで、PK戦で敗れたからと言って、何ら恥じ入ることは無い。
選手はよくやった♪
正直言うと試合後すぐ、3時に寝たが悔し過ぎて、なかなか寝つけなかった。
起きて尚悔しさは募るばかりだ。
出来れば準々決勝、準決勝と駒を進める日本チームを見たかった。
次のお楽しみだ。
