平方録

クワバラクワバラだ

日曜、月曜と海辺の町には2日間にわたって、南寄りの強い風が吹き続けた。
西丹沢の箒スギを見に行った帰りに海沿いの国道134号を通ったら、防砂林の松林をすり抜けて道路の一部に海砂が堆積しているところがあった。
この分では、防砂林のさらに海側にあるサイクリングコースは砂に埋まってしまっているに違いない。
よしんば埋まっていなくても、マツの花粉が飛び散ってうっとおしいことだろう。

てなわけで、久しぶりの自転車は海沿いを避け、川の堤を北上することにした。
結論から言うと、境川を遡り、大和市付近で丘を越え、米海軍厚木基地東側を流れる引地川に出て戻ってきた。
走行距離はは55.08キロ。最近では比較的長い距離である。
午後になると南風が強まって、南に向かって走るしかない身には強いアゲインストになり、風の抵抗をはねのけてペダルを漕ぐだけで一苦労である。
自転車は向かい風に弱いのだ。
火野正平流の”人生下り坂最高”を言い変えて”人生向かい風最高“と言いたいところだが、向かい風はやはり“自転車の敵”である。

川の堤のような所を好んで走るのは、車と一緒に走るのが嫌なためだが、そういう自転車専用道路的な道でも、一般道と交差するところがあるし、仕方なく街中を車と一緒に走らなければならないこともしばしばである。
境川沿いでは大和市内に入ったところで、交差する一般道の横断歩道をそろりそろりと渡ろうとしたら、左から来たワゴン車が止まらず、慌てて回避動作を取らされる羽目になった。
相手は横断歩道に突っ込んでから止まったが、回避しなければ接触されていただろう。
車は横断歩道手前では無条件に一旦停止だろうに。
若い女が運転していたが、謝りもせずに走り去った。

今度は引地川に向かうため、丘を越えて大和市街を走っていたら、軽ワゴン車が細い道路から飛び出してきそうになり、こちらも慌ててブレーキをかけた。
この運転手も女性である。
大和の女の運転は荒っぽいのだ。
ジェット戦闘機の騒音にさらされて、変調をきたしているのかもしれない。
クワバラクワバラである。

アベなんちゃらが用心棒と頼む米軍の海軍厚木飛行場のすぐ北側に「泉の森」という樹林に囲まれた湧水池があり、きのうも幼稚園児や年寄りが訪れてお弁当を広げ、目立ち始めた新緑を楽しんでいた。
大和市民の憩いの場所なのである。
この森に分け入った途端、頭上から強烈な金属音が降ってきた。
大和市内に入った段階ではまったく聞こえなかったのだが、訓練が始まったらしい。

4機がかわるがわる離着陸訓練を始めたようだ。多分、空母艦載の戦闘攻撃機FA18ホーネットだと思う。
池のほとりでカメラを構えていた人に聞くとF14だろうという。
F14も空母艦載機だが、もう使われていないんじゃないか? そう聞き返すと嫌な顔をされ、FA18はすべて山口県の岩国基地に移駐したから、ここにはいないと言い張る。
まぁ、地元の人間が言うのだから、と思ったが腑に落ちない。

家に戻ってインターネットで調べたが、岩国基地を使っているのは沖縄の普天間基地から移ってきた海兵隊の空中給油機の部隊が記されているだけで、後は最近、オスプレイの部隊がここを拠点にしているという記事を読んだ記憶がある。これも海兵隊所属だろう。
ここのオスプレイ2機が熊本地震の救援物資搬送に駆けつるという報道があったばかりである。
ただ、神奈川県のホームページには空母ジョージ・ワシントンの艦載機訓練は硫黄島で行い、天候具合で厚木と岩国、そして青森の三沢で行う、とあるから、やはり岩国移駐はまだ途上の話のようである。

あの、戦闘機の騒音というものは凄まじいもので、4機が基地周辺上空を周回し、滑走路を空母甲板に見立てて次々にタッチアンドゴーを繰り返しているんである。
滑走路に車輪を触れさせた後、すぐさまエンジンをふかして急上昇する訓練である。
この時のエンジン音が半端ではないのだ。
今は訓練の回数が減って問題されることが少なくなったが、かつてはこれが夜間に行われ、深刻な騒音問題となっていたのである。

こいつら攻撃を専門とする戦闘機の手伝いを前線真っ只中でさせられる法律は既に施行されているのだ。






4機がかわるがわる着陸訓練を繰り返していた
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