平方録

男を下げちゃったねぇ~

政治家ってぇのは己の信ずる所に従って行動し、そして信念に死ぬのがありうべき本来の姿だったんじゃなかったっけ。

それにしても惜しかったねぇ、アッソーちゃん、ガッキ―!
男を挙げて、次期総理の呼び声が一気に高まる絶好機だったはずなんだけどねぇ。待望論が高まったはずだけどねぇ。
ホントに惜しかった。
自分で絶好機を作りかけておいて、後はバットを思いっきり振りさえすれば、ボールの方からバットに当たってきて、センターオーバーの大ホームランになるところだったのにサ。
どうしてまた、ど真ん中の絶好球が来たのに、バットも振らずに見過ごしたのサ。
ったく、ずっこけたぜ。

アッソーちゃんは言わずと知れた九州の炭鉱地帯出身の、いささか品のないアノ大臣。
ガッキ―は呉服屋の番頭みたいな、大人しくて真面目そうなところだけが取り柄のような、カンジチョー。

いやぁー、ナニ、アベなんちゃらが2年前の総選挙で「消費税の先送りはもう絶対にしない」と言っておきながら、あっさりと前言を翻したことに、当初この2人は猛烈に反対したんだそうである。
至極もっともな話で、まともな神経と感覚を持ち合わせているんだなぁと、内心ちょっと拍手を送ったんである。
それがどうだ。一晩明けてまた説得されたんだか、恫喝されたんだか知らないが、こいつら2人もあっさり態度を翻して、「ハハァー、オソレイリマシタ」「御意のままに」と言ったかどうか知らないが、ひれ伏しちゃったんだよな。

今回消費税を上げなかったら、ますます国の財政が怪しくなってきて、ギリシャの財政破綻を高みから見物しているってぇわけにはいかなくなることを心配したからこそ、「あいやしばらくお待ちを! 」って、疑問を呈したんだろう。
福祉を切り捨てられる国民のことも頭をよぎったんだろう? 約束は守るって言う政治家としての矜持もあったんだろう?
正しいと思うよ、その認識。
長いものに巻かれるばかりの奴らの中にあって、駄目なものは駄目、正しいのはこっち、とはっきり主張できる奴がいたと思った瞬間に、ハシゴが外されちゃったんだよなぁ。

ソーリ、やっぱりいけませんぜ、公約を2度も破るのは、って一旦口にしたんだから、意見が通らないなら、そのまま辞表出せばよかったんだよ。
それが信念に基づいた行動だろうよ。
あっさりと前言を翻すようなら、最初から従っておけばよかったんだよ。
それくらいの先は読めるんだろう?

もっとも、呉服屋の番頭に至ってはハト派の頭目だとばかり思っていたら、いつのまにか獰猛なタカの手先になって憲法を踏みにじって平気な顔をしてるばかりか、タカに身も心も尽くし切っちゃってるんだから“怖れ入谷の鬼子母神”ってのはこのことで、信用できない奴の代表みたいな存在である。
アッソーだってアベなんちゃらと同じ、爺さんがソーリダイジンだったっていうボンボンだから、あっさり前言を翻しちゃうんだよね。信念なんてあるわけないのさ。
国民の側からすれば八百屋で魚をくれって、頓珍漢なことを言ってるのと同じことなんだよね。ナイモノネダリってわけだったってこと。

それにしても惜しかったね、アッソーちゃん、ガッキ―! 男になり損ねたね。ご愁傷サマ。



シックな中に華やかさも備えた「空蝉」の2番花
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