先週の月曜日から始まっていたはずで、その先週の月曜日は妻におにぎりの弁当まで作ってもらったのだが、あまりの寒さに「こりゃぁ無理」と日和ってしまい、結局何やかやと理屈をつけて延び延びにしてきたのである。
しかし、このままでは男が廃ると考え、天気予報もポカポカ陽気を予想していたので、その気になったのである。まぁ、神輿を上げたといえば格好良すぎるかしらん。
行ってみて驚いた。せん定された形跡がないのである。
もうあらかた終了していて、いくつも残っていないくて「遅かりし由良之助!」じゃないかと内心心配してきたのだが、これが何と別の作業に手間取り、この日が一週間遅れの「事始め」だという。
まるでボクの登場を待っていたかのようではないか。バイプレーヤー的な気持ちでいたのだが、これじゃぁ、本格的な助っ人にならなければいけない。
こういうこともあるのだ。イヤハヤですな。
今年から高所作業の安全のためヘルメットをかぶり、腰ベルトに結び付けられた命綱をアーチの鉄柵に引っ掛けて行うことになった。
これはこれで付けているといないのとでは大違い。
去年までは転落しないように随分と気を遣ったが、命綱をつけていると幾分か安心感が感じられるのが不思議である。
去年までは、はじけたバラのツルが頭をひっかいたり、こんがらがっている枝を丁寧にほどくときなど、ツルの塊に頭を突っ込んで傷だらけになるようなことがあったが、そういう心配も失せたのである。
おまけにヘルメットも命綱も、身にまとうと気が引き締まる感じがするのがよろしい。
とまぁ、形は出来上がったのだが、作業の方は難航を極めた。
まず、茂りすぎて、てんでに絡み合ったツルを1本1本より分け、葉を落とし、古いツルは切り捨てていくのだが、これが一筋縄ではいかないのである。
たじろぐ気持ちが先に立ってしまうのだ。
あまりにもこんがらがり過ぎているということが、たじろぎの原因だが、数メートルにも伸び、伸びた先でとんでもない絡み方をしているものを、トゲに引っかからないように注意しながら、しかも脚立の上で身体のバランスを取りながら行うことは、ひとえに根気のいる作業なのである。
結局、9時半から始めて午後の4時まで、途中1時間弱の昼飯休憩と3時前の小休止を取ったものの、両サイドから伸びたつるバラ2本のせん定を終わらせるつもりでいたのだが、1本分を終えるのがやっとだったのである。
この作業のリーダー役のK君も苦戦していて「初日ってのは調子が出ませんねえ」とぼやいている。
ボクにしたって、難問を前にたじろぎ、途方に暮れるような気持ちが先に立って、手がなかなか動かずにため息ばかり出ていたように思う。作業効率が悪いわけだ。
かといって、思い切りよくズバズバとせん定してしまっては必要な枝を切り落としてしまいかねず、来年の花付きに影響でも出たら一大事なのである。
短気は禁物で、根気良く、根気よく作業は進めるものなのだ。人生修養と言っていいくらいなのである。
で、初日は情けないことにヘトヘトになってしまった。体力の衰えも忍び寄ってきているようである。
作業中にスーパーバイザーの河合氏が顔を見せ、同じく消毒作業などを依頼している会社の社長サンとも出くわし、お互いに懐かしみ合っていると、やおら忘年会の話になり、急も急、あれよあれよと、今日火曜日に忘年会をやろうということになってしまった。
忘年会シーズンたけなわで、気の利いた店など空いているわけもないが、どうにかなるだろう。
それよりなにより、今日の作業がはかどるのかどうか心配である。
この茂りよう、絡み合いよう…。これを1本1本バラしていくのである
アーチに命綱の金具をひっかけて作業する=いずれも横浜イングリッシュガーデン
ポカポカ陽気に誘われて、昼飯のおにぎりはプライベートガーデンの芝生の上で食べた
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