人気があるのに肝心の商品が品薄で、手に入れたくてもなかなか手に入らない。
しかも、欲しい欲しいと思う足元を見透かすように、店頭から消えて地下に潜った商品はネットの世界に現れて、定価3000円の品がプレミアがついて4000円以上の値が付けられたりしている。
何も超高級な、あるいはレアなものを求めているのではなく、国産メーカーのごくありふれた(少なくともボクはそう思っている)ピュアモルトウイスキーの話である。
ボクにとってウイスキーはブログを書く時の早朝の気付け薬として、好物の熟柿にひとっ垂らしして得も言われぬ至福の食べ物に代えるため…etc、のものであって、ぐびぐび飲むのではなく、舌の上に少しだけ転がして味と香りを楽しむ重要な役割を担っていると言ってよい。
だから店頭から消えた時は途方に暮れ、落胆もしたのだ。思春期の少年がするように、グレてやりたい気分だった。
それが、妻が美容院で美容師さんに亭主の窮状を笑い話の如く話したら、ナンとナンと美容師さんが懇意にしている酒屋からまんまと1本せしめて来てくれたのだった。
これに驚喜雀躍、歓欣抃舞(今月14日の当ブログ)したことはまだ記憶に新しい。
でもそれでこの話は終わりではなかったのだ。続きがあったのだ。
土曜日の話だけれど、ボクが外出から戻ってくるとダイニングテーブルの上にポツンと1本、件の銘柄のウイスキーが乗っている。
あれ? 手に入れた1本は既にボクの管理下にあって2階のパソコンの脇でスペースレンジャーのバズが大事に抱えているはずじゃなかったけ。
そう思って妻に聞くと、ドォ~ヨ! というドヤ顔で「もう1本ゲットしてきた」と新たな戦利品であることを明かすのだった。
これには驚いた。
1本手に入れるのにあんなに苦労して、大いに喜んだばかりじゃないか。
それが、まだチマタには存在していたのかいという、まさにキツネにつままれた思いである。
聞けばチマタもチマタ、普段は滅多にいかない隣町のスーパーマーケットで買い物ついでに酒の棚をのぞいたら、何と1本だけポツンと立っていたんだという。
まぁ1本だけというのがミソと言えばミソなのだが、さらに驚いたのはネットでプレミアがついて売られている時に、ナンとナンと3000円の定価が割引されて2800円で売られていたんだそうな。
まるでエアポケットに入ったような話じゃないか。
世の中って言うところは、妙な風が当たり前のように吹いているところがある一方で、そんな風とはまったく無縁のいつも通り変わらないさわやかな風がそよそよと吹き抜けるところもあるんだねぇ~。
今回そんなことをつくづく思い知らされ、「へぇ~」「ほぉ~」と感心することしきりなのである。
かくして「へぇ~ほぉ~録」に記録を残すことにした。
我が家周辺の紅葉に見るべきものは少ない。台風19号による塩害が影響しているようだ