大リーグで大活躍する大谷翔平選手の移籍先がロサンゼルス・ドジャースに決まり、加熱していた移籍先報道がようやく一段落した折も折、日本の小学校にオオタニグローブが届き始めている。
タイミングは正にクリスマスプレゼント、あるいはお年玉と言ったところか。
「野球やろうぜ!」というメッセージとともに、大谷選手が全国約2万校の小学校に右利き用2つ、左利き用1つの計3個づつをプレゼントするという報道が流れた時は、さすがに発想のスケールが違うなと感心したものだった。
ところが、そのプレゼント到着のニュースを追うように、2~3日前の新聞で「んっ?!」と絶句させられるような記事を読んだ。
神奈川県内の某政令指定都市での話。
市立小学校と特別支援学校の全117校に届けられることになっているそうだが、そこの教育委員会が「道徳の授業」の教材に使う計画を立てている…という話だった。
市立小学校で使われている道徳の教科書に大谷選手が取り上げられていて、「夢を実現するためには」というテーマの教材になっているんだとか。
「授業で夢や目標をどう実現するかを話し合う際に、はるばる海を越えて届いた大谷選手から贈られたグローブを活用することで学びが深まる」というのが市教委の言い分だと記事は伝えている。
この記事を読んだ昭和生まれのジジイは「おいっ、ちょっと待てよ!」と思う。
オータニサンは「野球やろうぜ!」と贈ってくれるんじゃなかったっけ?
道徳の教材の補助道具に使ってもらうために20000X3個をプレゼントしてくれるんじゃないはずだが…と。
実際、このプレゼント報道が出た後、同市内の小学校に通う児童たちからは「大谷選手のグローブをはめて早くキャッチボールしたい」とか「体育の授業で使いたい」とか、待ちわびる気持ちがほとばしったそうな。
しかし、市教委はこうも言う。「安全面や公平性の観点から実際に使うには工夫が必要」と。
出た出たっ、出ました真冬の幽霊…いやっ亡霊が。
すぐに「安全面が…」「公平性の観点からどうなのか…」。つまり、やりたくない時、面倒な時にすぐ持ち出しす"嫌々教""ダメダメ教"の呪文。
何なんだよキョウイクイインカイってところは…
大リーグの中で最も秀でた世界最高の野球選手といわれる大谷翔平がわざわざ日本の少年少女のために「野球やろうぜ!」とプレゼントしてくれるグラブを、どうして素直にキャッチボール用に使おうとしないのさ。
月曜から金曜まで、1年生を除いて曜日ごとに使える学年を変えるとか、とにかく在校生が一人残らずオータニグラブをはめて3球でも4球でもキャッチボールが出来るようになれば、例え数か月に一度しか順番が回って来なくとも、子ども心には何かが残るはずだ。
児童会ってのもまだあるんだろう?
その児童会に「どう使いたいか」「どう使ったらいいか」などを考えろ、といえば、子どもたちの柔らかな脳ミソはたちどころにいくつかの使用法を提案してくるだろう。
先ずは各クラスの学級会で話し合い、それらを持ち寄って児童会で揉めば済む話じゃないか。
ドートクの授業よりよっぽど有益だと思うんだけどな。実に民主的で、国会議員にも民主的議論というのは、こういうものだって教えてやるいい教材になること請け合いだ。
「たった3個じゃ、公平性に課題がある」だなんて、バッカじゃないの。
世界最高峰の現役大リーガーに失礼極まりない話じゃないか。
そんな奴らは「トーフの角に頭をぶつけて死んじまえっ!」と心底思う。
庭のヒデンス