平方録

3キロ超をいかに絞るか、それが問題だ

70キロは超さないようにしてきて、悪くても70キロそこそこ、うまく行っていれば68キロ台のこともあるというのが、わが体重だった。
「だった」とは、もちろん過去形である。
去年の12月初旬くらいまでは確かに現在進行形を保っていた。
それが気付いてみたら、何と73キロ台もある。

最近、ようやく暖かくなってきた影響もあって、必然的に衣が薄くなってきている。
身にまとう衣が薄くなると、必然的に身体のシルエットというものも、よりはっきりと浮かび上がるようになってきた。
早い話が3キロ超も太ってしまい、まとわりついた脂肪の塊は腹周りに集中して堆積しているのである。

これまでもこうした経験がないではない。
しかし、せいぜい1、2キロで、ちょっと運動をして脂肪を燃やすようにすると、まぁ、そこそこ燃焼し、みられた姿に戻るのが常だった。
今回の3キロ超はただならぬ未体験ゾーンである。
地道にコツコツと燃焼させ続ければ減っていくのだろうが、一体どれくらいの月日が必要なのだろうかと、暗澹たる思いである。

思えば12月初旬過ぎから脂肪が堆積し始めた理由は明確なんである。
急に寒くなって日常のエクササイズが面倒になったこと、すぐに正月がやってきて暴飲暴食の時期に入ってしまったこと。そうした無節操な時期がひと月ぐらい続いたとしても、元に戻すのは比較的たやすいことだった。

「なに、その気になればすぐ燃焼させられる」
その気持ちが慢心を呼んだのである。
結果としてズルズルと今の今まで、腹筋運動ひとつしていないのだからむべなるかな、なのだ。
しかし、この体系で短パンにTシャツという夏の定番スタイルはどう見たってみっともなくて出来るわけがない。
さて困った。どうしよう。

社会の第一線から離れるということは、こういう気の緩みというものをもたらすものらしい。
というより、自分自身に甘くなっているんである。それも底なしに。
たるみきった姿勢が3カ月も続いたのだから、リカバリーは容易ではないに決まっている。
報いは甘んじて受けなければならないのだ。
まるでシーシュポスの神話のようではないか。

昨日は定例の句会だった。
吟行は間もなく移転・閉場してしまう東京築地の市場界隈。
合評の会処は市場近くの蕎麦屋の2階。
わが句会は「蕎麦屋の2階」が掟なのだが、なかなかいつも思うようにはいかない。
今回は実に久しぶりの掟どおりの開催なのである。

といっても所用と重なってしまい、遅れて参加したから気分は今一つだったけれど、キクマサが美味しかったし、焼きネギと一緒に出てきた鴨肉が美味しかった。
出されたものを完食してしまい、減量作戦などどこの誰の話かと思わずにいられないところが、意地汚くも情けないのである。

今回は「桃の花」が兼題。以下はわが提出句。


桃の花意識したのは小学2年

桃の花それしか見えぬ車窓かな

コブシ咲き耕す人や山笑う

夕鶴や思いは今も深き雪

中央線の列車に乗って笹子トンネルを抜け、ゆるやかにループしながら甲府盆地に下っていくと、車窓に広がるのはブドウ畑か桃畑である。
そこを4月の花盛りに通りかかると、両側の車窓がピンク一色に塗りこめられ、息をのむような光景が続く。2番目の句はそんな光景を詠んだものだ。
あの景色は忘れがたいものがあり、間もなくその季節を迎える。



青い空に濃いピンクと黄色の配色。春の色香があちこちで目立ち始めた=大磯丘陵で
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事