頭に穴を開けるなんて嫌だったし恐怖だったけれど、もし、手術を受けないでいればいずれ動脈瘤は破裂し、クモ膜下出血を引き起こすだろう。その場合の生存率はせいぜい30数%で、そのうち社会復帰できる確率は17%だと脅されたんである。
17%という数字にも呆れたが、そんな小さな可能性に人生をかけるほどの度胸はなかったから、清水の舞台から飛び降りるようにして手術台に上がったのである。
5時間程度の手術と説明されていたが、それが8時間を超す大手術となり、付き添いで来ていた妻と娘は「よもや」と不安な思いで時を過ごしたようである。
ゴールドフィンガーと呼ばれた名医の腕前はさすがで、手術は成功し、後遺症のコの字も出ない見事さで働き盛りの十数年間を過ごし、今また馬齢を重ねることが出来ているんである。
動脈瘤を発見してくれた女医さんは何と外交官に転身してしまい、いま日本にはいないが、後を引き継いでくれた現在の主治医の勧めもあって、毎年頭の中のチェックをしている。
いわゆる脳ドックってやつでMRIを使って調べるのだが、昨日その検査結果を聞いてきた。
結論から言うと、脳内は全くきれいな状態が保たれていて、ふつうボクのような60代後半の人の脳血管には3、4か所もの梗塞の跡が見つかるようなのだが、「一つも梗塞の跡がないというのは素晴らしいです。脳内はすこぶる健康な状態です」と言われたのだ。
併せて行った頸動脈を調べる動脈硬化の程度も、若干のプラークの堆積は見られるものの、「まったく心配ないレベル」といわれて、実に軽い足取りで帰ってきたんである。
たまには嬉しくなってしまうような良いこともあるのだ。
これだから人間は止められないんだ、な~んちゃってね。
いつものように午前4時のNHKニュースを聞いて起きたのだが、国会ではまだ共謀罪を巡ってすったもんだを続けているようだ。
馬鹿馬鹿しくて情けなくて、何という政府の元で暮らしているのかと、ほとほと嫌気がさしてくるが、逃げようったってどこにも逃げられないのだから、連れていかれるところまで行くしかないんである。
孫たちが窮屈な社会で暮らさなければならないことを考えると、じっとしていられないくらいの焦りを感じるが、せめて反対の声を上げることしかできないのが歯がゆくて悲しい。
それにしても異常で、異様な光景である。そうまでしなくては成立がおぼつかないってことだろうが……
今日はもうこれくらいでやめにしておく。
午前4時8分の北東の空
庭の一角がうっそうとしてきた
最新の画像もっと見る
最近の「随筆」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事