平方録

うれしかったけれど、悲しい…

今から17年前の6月1日、ボクは青天の霹靂のごとく見つかった脳の動脈瘤を措置すべく開頭手術を受けたんである。

頭に穴を開けるなんて嫌だったし恐怖だったけれど、もし、手術を受けないでいればいずれ動脈瘤は破裂し、クモ膜下出血を引き起こすだろう。その場合の生存率はせいぜい30数%で、そのうち社会復帰できる確率は17%だと脅されたんである。
17%という数字にも呆れたが、そんな小さな可能性に人生をかけるほどの度胸はなかったから、清水の舞台から飛び降りるようにして手術台に上がったのである。
5時間程度の手術と説明されていたが、それが8時間を超す大手術となり、付き添いで来ていた妻と娘は「よもや」と不安な思いで時を過ごしたようである。
ゴールドフィンガーと呼ばれた名医の腕前はさすがで、手術は成功し、後遺症のコの字も出ない見事さで働き盛りの十数年間を過ごし、今また馬齢を重ねることが出来ているんである。

動脈瘤を発見してくれた女医さんは何と外交官に転身してしまい、いま日本にはいないが、後を引き継いでくれた現在の主治医の勧めもあって、毎年頭の中のチェックをしている。
いわゆる脳ドックってやつでMRIを使って調べるのだが、昨日その検査結果を聞いてきた。
結論から言うと、脳内は全くきれいな状態が保たれていて、ふつうボクのような60代後半の人の脳血管には3、4か所もの梗塞の跡が見つかるようなのだが、「一つも梗塞の跡がないというのは素晴らしいです。脳内はすこぶる健康な状態です」と言われたのだ。
併せて行った頸動脈を調べる動脈硬化の程度も、若干のプラークの堆積は見られるものの、「まったく心配ないレベル」といわれて、実に軽い足取りで帰ってきたんである。
たまには嬉しくなってしまうような良いこともあるのだ。
これだから人間は止められないんだ、な~んちゃってね。

いつものように午前4時のNHKニュースを聞いて起きたのだが、国会ではまだ共謀罪を巡ってすったもんだを続けているようだ。
馬鹿馬鹿しくて情けなくて、何という政府の元で暮らしているのかと、ほとほと嫌気がさしてくるが、逃げようったってどこにも逃げられないのだから、連れていかれるところまで行くしかないんである。
孫たちが窮屈な社会で暮らさなければならないことを考えると、じっとしていられないくらいの焦りを感じるが、せめて反対の声を上げることしかできないのが歯がゆくて悲しい。
それにしても異常で、異様な光景である。そうまでしなくては成立がおぼつかないってことだろうが……
今日はもうこれくらいでやめにしておく。



午前4時8分の北東の空


庭の一角がうっそうとしてきた
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