平方録

心が折れかけてしまうのだ

「アンコ椿は恋の花」では便りは3日遅れで届くが、ボクの肉体もまた似たようなものである。

醜く出てきたお腹をひっこめるために一昨日から取り組み始めた肉体改造で、160回も腹筋をしたのだが、酷使したはずの筋肉は何事も無かったように痛みもなく伸縮を繰り返している。
本来なら急激に使った後の筋肉は軽い炎症を起こすだろうから、いわゆる筋肉痛となってわれわれを襲うはずである。
若ければ数時間後から痛みが出てくるもので、若いころはそうした筋肉痛というものも、生きている実感としてとらえるからか心地よくもあり、それなりに楽しんでいたように思えるのだ。

ところがジジイになった今となっては、いくら過激に筋肉を使ったとしても、肝心の痛みが脳に伝わるのにアンコ椿の時間を費やさなければならないのだ。
つまり、何事も無かったかのように、昨日はほとんど痛みを感じなかったのである。
それがある程度の時間が経つと、今朝ベッドから起き上がる時にイテテテ! という声が自然と漏れたように、「🎵3っ日ぁ~遅れぇ~のぉ~痛みぃ~ぉを~乗ぉ~せぇ~てぇ~」となるんである。

よかったわい! これでボクの神経もつながっていることが証明されたんである。
今日から数日間は、この筋肉痛という鈍いような、心地よいような痛みとともに過ごすことになるのだ。
とはいえ、痛みが届いたのは腹筋だけ。ダンベルを使って動かした腕や肩、太ももの筋肉はまだ音なしの構えである。
便りがないのは元気な証拠、とは言うけれど、この場合はちょっと違うしなぁ。やっぱりジジイ色は濃くなってきているのかしらん。

昨日の夕方から降り始めた雨は今朝起きてみると音を立てて落ちてきている。普段は濡れることのない南側のガラス戸にびっちりと水滴がついていて、これから風はさらに強まるのだという。
カスミソウやらコムギセンノウ、チューリップ、アネモネなど、比較的背を高く伸ばしている花々は雨粒の重さに加えて強風にあおられたんではたまったものではないだろう。
青い布を広げたように、びっしりと密になって咲き誇っているワスレナグサは既に横になってしまっている。
これから昼過ぎにかけてさらに風雨ともに強まるそうだから、動けない花は大変である。
庭は相当荒れるだろう。毎年のこととはいえ、いつもきれいになりかける頃やきれいになったのを見計らってオジャマ虫はやってくるのだ。やれやれですなぁ。

春の嵐が襲ってくるというので、昨日バラの総点検をして愕然としてしまった。
花芽になるであろう、伸び始めたばかりのほやほやで柔らかな芽ばかりが狙われ、だらしなく首を垂らしているのをたくさん見つけたんである。そう、たくさん!
ブラッシングアイスバーグ、バーガンディーアイスバーグ、ローゼンタールシュパリースホープ、バレリーナ……。
被害は種類を問わず及んでいるのだ。

去年に引き続いて無農薬で育てる道を選んだのだから、ある程度は覚悟しているというものの、実際に被害を目の当たりにすると、もうとても悲しい。
犯人は成虫なのかそれとも幼虫なのかも、今のところ定かではないのだ。目を凝らしてみたけれど、犯人と思しき姿はどこにも見当たらない。
ものの本によればバラゾウムシの仕業が疑われるのだが、こいつには羽があるので、すぐにどこかへ飛び去ってしまうのである。
花芽被害ではないけれど、所々の葉にも食害の後がちらほら目につくようになってきた。葉っぱの食害の多くは卵からかえったほかの虫たちの幼虫がかじるのだが、今のところ肝心の幼虫の姿も目撃できていないんである。
見えない敵との戦い、なんちゃってお茶らけている場合じゃぁないんである。

被害を目の当たりにすると心は折れかけ、気は滅入るばかりだが、とにかく始めた戦いなのだから、目を凝らすしかないのだ。



根元部分をかじられたか穴をあけられてしまって首を垂れる花芽


茎をかじられた直後らしく、縮こまり始めた若葉


これから強まるであろう春嵐にどれだけ耐えられるのだろう
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