一昨日の富士山がこれ以上ないくらいくっきりとよく見えた日…歩いたと言っても時間にすれば1時間余り、歩数にして7000歩ほど歩いたにすぎない。
家に戻ってからは2階の良く日の当たる部屋の折り戸を全開にしてベランダと室内の境界を無くし、さらに短パンに履き替えて日向ぼっこしながら本を読んだ。
素肌に直接太陽の光を浴びるというのは、ボクにとって一種の快感を伴うもので、久しぶりの感触にすっかり気分を良くした。
冷たい北風が強く吹き付ける日だったが、南側の陽だまりにいさえすれば、まるで春のように暖かかったのである。
ところが…
夕方日が傾くと、なんだかやたらと寒気がしてきて居心地がよくない。
とりあえずコタツにもぐりこんでじっと様子をうかがっていると、何とか元の状態に戻ったので風呂にゆっくり浸かった。
食欲も変らず旺盛で、いつものように晩酌をしながら普段通り食べた。
何かの拍子に一過性の寒気がやって来たが、お気に召さずすぐに立ち去ったのだろうと思った。
そしていつもの時間に寝て、いつもの時間に起きる。
すると、のどが痛い。
ただ、これは口を開けて寝たりすると良くあることで、起きてしばらく経つと何事も無かったように痛みは消えるのが常である。
しかし、朝食を食べ終わってものどの痛みはかすかに続いている。
そしてまた、一度は消えたはずの寒気がまた戻ってきて存在を主張し始めた。
直感的にちょっとまずいんじゃないのと思う。
ただし、熱を測ってみるが熱は平熱である。
朝食はホットサンドだったが、ちゃんと舌先で味覚も感じ取れた。第一、食欲もあった。
それでもほぼ10日くらいを遡って、どういう行動をしてきたか、思いつく範囲で振り返ってみた。
既に記憶装置に経年劣化が忍び寄ってきていることは自覚済みだが、他に頼るべきものは持ち合わせていないので、必死に装置を動かして見るが思い当たることといえば13日にコロナワクチンの3回目を受けに市内の集団接種会場に行ったこと、翌日の月曜日におっかなびっくりしながら歯医者に行って口をパッカリ開けたことくらいである。
ワクチンを受けに行ってコロナに感染してきたというのであれば洒落にもならない。
マスクも外してないし、待ち時間は接種後に15分待機場所で待機しただけだから感染は考えにくい。
歯医者ならあり得るか…
オミクロン株の潜伏期間は平均すると3日と短い。
1日という例もあるそうだから疑えば切りがない。
昨夜は早く寝た。
今朝起きて見て余り状況が変わらないとしたら…ちょっと厄介かも知れないなと…
注意深く観察してみると、どこにも変わったところは見られない。
というか、寒気に伴って何となく付きまとっていた不快な感覚というものは雲散霧消していて、呼吸そのものが実にスムーズかつ軽やかに感じられる。
本能的に「あぁ虎口を脱したようだな」という感じが今、全身を包んでいる。
畢竟あの寒気は何だったんだ?
冷たい北風にさらされて富士の山を見ながら「ちょっと羽織ってきたものが薄かったか」と感じていたことが、風邪の引き始めの症状となって表れたのかもしれない。
時期外れの短パンも影響したか。
風邪なんてここ数年引いたことも無いけど、そもそもこの時期に引くこと自体がややこしいことになりかねない。
危ないところだった。