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平方録

記憶に残る春

外出自粛要請が出ていたが、繁華街の雑踏に出かけていくわけでなし、地方都市のそれも繁華街を外れて行き交う人の姿もまれな、しかも緑が多く残る静かな場所を散歩するくらいは精神安定のために必要なことだろう。
肝心なのは、一人ひとりがいかにして感染リスクを少なくするかだ。
サクラもそろそろ見納めに近づいている。今の内ならまだきれいな花を瞼の裏に焼き付けることが出来そうだ。

わが家から見える低い山にパッチワークのようにヤマザクラの塊が点在している
その山を背負うように日蓮宗の寺があって、手入れの行き届いた庭が自慢である
久しぶりにのぞいてみたら、とても良かった ♪

見出し写真にもあるように、裏山のヤマザクラが真っ青な空と共に、これ以上ない美しい背景になっていて、そこにサクラと同じバラ科の植物と思われる、つっかい棒を当てられた古木にサクラに似た花が咲いている


前の日に近所のイチゴのビニールハウス脇で見た花と同じ品種のようだった
ネットで調べた限りではスモモではないかと思うのだが、〝確定診断〟とする前にもう少し調べようと思う

本堂裏手にはスイレンの咲く池があり、裏山をそのまま屏風に見立てて様々に植物が植えられている
中心はツツジで一部の〝早起き〟品種はもう咲き始めていた
サクラとツツジの共演は珍しいんじゃないか ?


本堂と竹藪の間でもこんなに盛んに咲いている

この寺から数分歩いたところが時々出掛ける池のある公園
一番の寝坊助だった池面すれすれに枝を広げたサクラが満開になっていた

扇を広げたようであり、滝流れのようでもある

横から眺める

裏側に回ってよく見ると葉っぱも一緒に出ている

足元には立派なウラシマソウ この花、コブラが鎌首をもたげているようにも…

寝坊助ザクラの脇、いつものカワセミ君を探したら、何とも太くて立派なヘビがとぐろを巻いて日向ぼっこ中 !  いや、もしかして2匹か ? 
手前から伸びている枝との対比で推し量るとかなりの太さがあり、長さも随分長そうだ 
青大将 ? ヘビはまったくの苦手 足元にこんなのが近寄ってきたら… 

運動公園の一角のソメイヨシノは満開だった もちろん花見客はいない


県道を挟んだ反対側の丘に広がる住宅地の桜並木も歩いてみた

散歩の途中で見かけた清楚なツバキ

桜の木の下で揺れていたタンポポに似た黄色い花

そして小学校脇のソメイヨシノの並木を通り豆腐工場で豆腐と油揚げを買って帰る

今年は彼岸の入りごろのヤマザクラの咲き出し辺りから、いくつもの尾根道をたどるヤマザクラ探査の散歩が連日のように続き、今まさにソメイヨシノの最盛期を迎えるまで、随分とサクラを楽しむことができた ♪
サクラの花の下での集まりがいくつかお流れになってしまったことは残念だったが、静かにじっくり花を愛でることができたのもまた事実だ 
記憶に残る春になったと思う
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