コロナ禍を機に、僕は都内の開業医のブログを拝読するようになったが、その方が伊藤隼也という自称医療ジャーナリストの言動をたびたび批判している。伊藤は週刊誌に記事を掲載したり、テレビ番組のコメンテーターとして出演したりするなどそれなりの影響力を持つ人物だが、不確かな情報や憶測をもとに記事を書く“飛ばし”の常習者のようで、最近では大手メディアも彼から距離を置いている。
伊藤の前職はカメラマンで、一九八〇年代後半から二〇〇〇年までアイドル写真集の撮影を手がけてきた。伊藤本人のホームページには、その経歴が一切記されていないが、ウィキペディアには彼の作品がリストアップされており、その中には僕がお世話になった自慰用素材も含まれている。物書きとしての伊藤にはまったく興味はないが、僕の自慰人生において彼とは接点があったので、彼のクリエイティビティを全否定するわけにもいかない。
僕が購入した伊藤の作品を挙げると、九六年七月に発売された森下純菜の「初めての体験。」と、九九年六月に発売された中村英里の「Yume:私を女優にしてください」の二作品だ。また、当時高校生だった僕が、キャミソールドレスからあふれんばかりの豊満なバストの表紙に少なからず興奮した、山岸真璃子の「北回帰線」も伊藤が撮影したのを、つい最近になって知った。
森下も中村も、深く記憶に残っていればすでに本ブログで紹介しているので、オナペットとみなせるほど実用的だったとは言えない。森下の作品は横乳を見せるなどきわどい演出もあるが、当時の僕は「お菓子系」アイドルに夢中だったので、自慰回数は増えなかった。また、同作品が発表されたのは森下が二十歳の頃で、高校生世代を性的対象にする僕にとってはいささかとうが立っていた。ちなみに、森下は今でも地道にアイドルとして活動しているようで、そのバイタリティは同世代として見習わなければならない。
中村の作品をヤフコメ!などに出品されているサンプル画像で見返してみると、お菓子系テイストの美少女の等身大が堪能できそうな作風で、記憶からすっかり抜けていたのが自分でも信じがたい。児童ポルノ法の施行前に発表された作品だが、僕はそれを二年ぐらい後に中古で買ったのを覚えている。良質の素材にもかかわらず、今までその存在に気づかなかったのは、やはりそれ以上に当時の僕を夢中にさせた小倉優子や小向美奈子などの印象が強かったからなのかもしれない。
そのほか、九三年四月に発売された高瀬彩乃の「ポップコーン」という作品も、もしかしたら手元にあったのではないか。いずれにしろ、二十代だった僕が伊藤の作品を自慰用素材に用いていたのは紛れもない事実で、ジャ―ナリストとしての仕事はともかく、カメラマンとしての仕事は正当に評価しなければならないが、当の本人が過去を一切封印していることは返す返す残念でならない。