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国内では携帯電話料金の引き下げを迫られ、次世代通信規格「5G」では海外勢に主導権を握られる――。影が薄れる一方だったNTTグループが、10年後に到来すると見られる次々世代の「6G」時代を視野に反転攻勢に出た。武器は「光」だ。ネットワークの中核の半導体などでデータの伝送手段を従来の電子から光に切り替え、消費電力の増大という問題の解決策も提示する。(中略)ビッグデータや人工知能(AI)でネットワークを流通するデータや、個々のデジタル機器で扱うデータ量は飛躍的に増えている。これまでデータを処理する半導体の電気回路の集積度を上げて対応してきたが、最先端半導体は回路の線幅が数ナノ(ナノは10億分の1)メートルで、さらに微細化することが難しい。1965年にインテル創業者の1人、ゴードン・ムーアが唱えた「ムーアの法則」が限界を迎えている。現在の半導体では電子が回路を流れてデータ処理しているが、IOWNでは光子がデータを伝送する。電子は微細な回路で熱を帯びるが、光子ははるかに小さく、熱を帯びない。消費電力は100分の1に低下する。(中略)技術開発の世界でNTTの存在感が低下している可能性がある。NTTの研究開発費はピークの00年度は約4000億円とトヨタ自動車(約4800億円)などに次ぐ国内有数の規模だったが、18年度は約2100億円とトヨタの5分の1だ。独調査会社スタティスタによると18年の米IT大手4社「GAFA」は総額580億ドル(約6兆4000億円)とNTTの30倍近い。澤田(NTT社長)は「NTTには(様々な業界と組んで)コーディネートする力が無かった」と反省する。IOWNではスマートフォン用半導体でクアルコムに跳ね返され続けたパソコン時代の王者、インテルと手を握り、コンソーシアムの参加企業と組んで様々な分野でサービスを提供する狙いだ。「光のエコシステムを構築し、一気にゲームチェンジを狙う」。過去の蓄積と教訓を生かした大勝負は、「悩める巨人」NTTにとって、世界競争に踏みとどまるラストチャンスかもしれない。(*日経 記事より)
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