以前、「カムイ伝」の話をしましたが、
この漫画(劇画)をバイブルのように
読んだのは高校時代でした。
で、思い出しました。
大学時代に何人かの友人と
回し読みした漫画(劇画)を…
「共犯幻想」
著作:真崎 守 原作:斎藤次郎
無性に読みたくなったのですが、
持っていた本は友人に貸したまま
戻ってきていません。
なので、amazonで探して
取り寄せました。

当時の装丁とは異なる版ですが、
懐かしい絵です。
当時の気持ちと時代が
甦ってくるようです。
計算された奇抜なコマ割り、
抽象的で象徴的な緻密な描写、
そして、
詩的で思想的な言葉の衝撃。
どれもこれもが
現在の私――随分と歳を重ねてしまいましたが
にも、未だに響いてきます。
物語としては…
若者の異議申し立てが激しさを増していた時代、
(それは日本の戦後社会の“青年期”と言えるかもしれませんが)
学校校舎の時計塔に立て籠もる高校生4人が物語の主人公たちです。
明朝には、学校当局と警察が強行突破してくるだろうと想定される
その前夜、彼ら4人は相互に問いかけます。
「なぜ残ったのが僕ひとりではなく、この4人だったのか」
ということを。
4人はそれぞれ、これまでの生育史の中で、
自己の“原罪”のような‘できごと’について語り始めます。
それぞれの「“原罪”のようなもの」を相互に共有することによって、
彼らの繋がりは「確固たるもの」となっていきます。
それは「共犯者」としての繋がりです。
そして、翌朝、当局による強行突破によって
彼らは、警察に「保護」され、家庭裁判所へと…。
バラバラにされる4人。しかし
彼らの「共犯者」としての繋がりは揺らぎながらも、
維持され続けます。
自身を信じること と (仲間でる)他者を信じることは
イオールで結びつけられています。
彼ら4人のそれぞれの“原罪”のようなものが相互に絡まり、
それが一つの、その時代の、いや若者が抱え込まざるを得ない
抽象的な何ものかへと止揚されていくように、私には思えます。
それは、
どうしようもなく逃れがたい自己の“原罪”の共有であり
自己の・社会の・時代の、閉塞感の共有であり、
未来への希望を希求しつづけようとすることの共有でもり、
それらの共有から生まれてくる「不確かであるけど確固とした」何ものか、
――“共犯幻想”
これが2巻までのお話。全3巻ですので、あと1巻残っています。
最終巻は、定年間際の老刑事との対決を中心に描かれているます。
とにかく、
絵も言葉も、今の私にも迫るくる
そして、含意されている記号や言葉の意味を
読み解くことで、確固としたメッセージ性が
創発してくる、そんな作品です。
万人にお薦めできる作品ではないかも知れませんが、
是非読んでおいて欲しい作品のひとつではあります。
新刊での入手は不可能です。
古書でしか手に入らないと思います。
この漫画(劇画)をバイブルのように
読んだのは高校時代でした。
で、思い出しました。
大学時代に何人かの友人と
回し読みした漫画(劇画)を…
「共犯幻想」
著作:真崎 守 原作:斎藤次郎
無性に読みたくなったのですが、
持っていた本は友人に貸したまま
戻ってきていません。
なので、amazonで探して
取り寄せました。

当時の装丁とは異なる版ですが、
懐かしい絵です。
当時の気持ちと時代が
甦ってくるようです。
計算された奇抜なコマ割り、
抽象的で象徴的な緻密な描写、
そして、
詩的で思想的な言葉の衝撃。
どれもこれもが
現在の私――随分と歳を重ねてしまいましたが
にも、未だに響いてきます。
物語としては…
若者の異議申し立てが激しさを増していた時代、
(それは日本の戦後社会の“青年期”と言えるかもしれませんが)
学校校舎の時計塔に立て籠もる高校生4人が物語の主人公たちです。
明朝には、学校当局と警察が強行突破してくるだろうと想定される
その前夜、彼ら4人は相互に問いかけます。
「なぜ残ったのが僕ひとりではなく、この4人だったのか」
ということを。
4人はそれぞれ、これまでの生育史の中で、
自己の“原罪”のような‘できごと’について語り始めます。
それぞれの「“原罪”のようなもの」を相互に共有することによって、
彼らの繋がりは「確固たるもの」となっていきます。
それは「共犯者」としての繋がりです。
そして、翌朝、当局による強行突破によって
彼らは、警察に「保護」され、家庭裁判所へと…。
バラバラにされる4人。しかし
彼らの「共犯者」としての繋がりは揺らぎながらも、
維持され続けます。
自身を信じること と (仲間でる)他者を信じることは
イオールで結びつけられています。
彼ら4人のそれぞれの“原罪”のようなものが相互に絡まり、
それが一つの、その時代の、いや若者が抱え込まざるを得ない
抽象的な何ものかへと止揚されていくように、私には思えます。
それは、
どうしようもなく逃れがたい自己の“原罪”の共有であり
自己の・社会の・時代の、閉塞感の共有であり、
未来への希望を希求しつづけようとすることの共有でもり、
それらの共有から生まれてくる「不確かであるけど確固とした」何ものか、
――“共犯幻想”
これが2巻までのお話。全3巻ですので、あと1巻残っています。
最終巻は、定年間際の老刑事との対決を中心に描かれているます。
とにかく、
絵も言葉も、今の私にも迫るくる
そして、含意されている記号や言葉の意味を
読み解くことで、確固としたメッセージ性が
創発してくる、そんな作品です。
万人にお薦めできる作品ではないかも知れませんが、
是非読んでおいて欲しい作品のひとつではあります。
新刊での入手は不可能です。
古書でしか手に入らないと思います。

これも(過去記事からきているので、こんな表現になりました)ぜひ読んでみたいです。
どこに売ってるでしょうね…
普通に本屋さんにありますか?
新刊本では、きっと手に入らないと思います。
古本でないと無理でしょう。
私はネットで買いました。
検索サイトかアマゾンで
「共犯幻想」を検索すれば、
いくつかの古書取り扱いのショップが
ヒットすると思います。
(でも品揃えはあんまり豊富ではありません)
いくつかの版があって、
上下2巻(たぶん)の版もあるようです。
全巻で3000円程度で出回ってるようです。
よろしければ探してみてください。