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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載131)
「30だけど17です」第15話(音楽祭の舞台へ)⑦
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ソリは途中抜けで事務所を出た。空を見て、そこに向かって手を伸ばした。
今日から開始だ。あの頃の続きを…
あの頃のように腕を伸ばしたまま、ソリはハミングして歩き始める。
―らんらからんらん♪〜、らんらからんらんらん♪〜
ソリの身体から周りに向かって楽譜の音符が次々と流れ出していく…。
事務所に戻ってきたウジンはそんなソリを見かけた。
「あっ!」
思わず叫んだ。
大きなボールが飛んできてソリの頭を直撃したのだ。ソリは足を止めるが、すぐにまた歩き出す。
―ぱんぱららんらん♪ ぱんぱららんらんらん♪
★★★
音楽祭の組織委員長のピョン・ギュチョルとリン・キムの前で、シム・ミョンファンは伝えた。
「彼女も舞台に立つそうだ」
リン・キムはすかさず反応した。
「趣旨はいいですが、プロでもない彼女がですか?」
「音楽祭を盛り上げるためだ。協力してやってください」
ピョン・ギュチョルはシム・ミョンファンの肩を持った。
リン・キムは怪訝そうに彼を見た。
大御所2人に反論するわけにもいかない。リン・キムはいら立ちを抑えて頷くしかなかった。
ソリは音楽の練習室にやってきた。すでにたくさんの人がやってきて練習を行っている。
そこにシム・ミョンファンとリン・キムがやってきた。ソリは2人に挨拶し、シム・ミョンファンの後に従う。
大きな練習室の正面に立つと軽く指揮棒を叩いた。
「バイオリンのウ・ソリだ」
ソリは挨拶してお辞儀をする。
皆の拍手を受けた時、ソリの心には高校の頃の自分が戻ってきていた。ソリにとってあたたかな拍手こそが音楽への情熱を満たす最高の贈り物だった。
また音楽に戻ってきた。ソリは音楽への情熱を共有する仲間たちの前に戻ってきて幸せいっぱいだった。
「え〜っと、リン・キム監督の資料は…」
資料を持ってソリはチン・ヒョンの許に走る。
「おお、助かるよ」
「”クラシック紀行”の下巻…」
ソリはその本を持ってすかさずヒスの許に走る。
「ここです」
振り向いたヒスにソリは説明する。
「チェックも入れてあります」
ヴァイオリンの練習に励みだして、ソリは仕事もテキパキこなせるようになっていた。
音楽祭のステージづくりにウジンもいつも以上に力が入っていた。ソリが舞台に立つのだから当然だった。
ヒスもヒョンも同様だった。
「4曲目からは特殊ライトを使おう」
「いいわね」
横から液晶画面を覗き込んでヒスは指さした。
「中央から始めて、こうして…」
ウジンも頷く。
練習に励みながら、ソリは叔父さんたちの姿を思い浮かべた。両親の代わりに演奏会場に足を運び、応援してくれたのは叔父さん夫婦だったのだ。
目標に向かう情熱ではチャンも負けていなかった。大会は近づいている。チャンの漕ぐボート オールは日に日にしなりを強めていた。
ソリは時間を捻出してヴァイオリンの練習に励んだ。お気に入りの公園での練習もそのひとつだった。
そんなソリの演奏を聴きにやってくる人もいるようになった。
そして日々は音楽祭に向けて流れていった。
クク・ミヒョンは携帯を取り出した。息子ミンギュを水から救ってくれた若者に電話するためだった。
「ただいま」
練習を終えてソリは帰宅した。
1階のリビングに人の気配はない。
その時、テーブルコーナーで携帯が鳴りだした。ソリはコーナーに走り、ローテーブルの上の携帯を握った。
ユ・チャンの携帯だ。
ソリはチャンを呼んだ。
「電話ですよ」
顔を洗ってたチャンが顔を出す。
「顔を洗ってるんだ。誰なの?」
「知らない番号よ」
「そうか。代わりに出てもらえる?」
ソリが電話口に出た。
「もしもし…」
「あの〜、ユ・チャン君の電話では?」
「いるのですが、今は手が離せないので…」
そこにチャンが顔を洗い終えて飛び出してきた。
「貸して」
チャンは急いで携帯を耳に当てた。
「はい。ああ〜、坊やは元気ですか?」
「誰?」
チャンの顔を覗き込んでソリ。
「俺が助けた少年の母親なんだ」
クク・ミヒョンは若者に言った。
「お礼を言いそびれてしまったので―学校に電話番号を教えてもらったのです。その節はどうもありがとうございました」
チャンは照れくさそうにした。
「坊やによろしく言ってください」
電話を切った後、チャンは表情をしかめた。
「当然のことをしたのにお礼なんて…恩人だ、勇敢だ、なんて言われてもなあ…」
嬉しそうにしながらチャンは自慢含みの表情で続けた。
「ほんとうに大げさだよな…」
ふと傍らを見るとソリの姿は消えていた。
「おばさん。俺の話を聞いてよ」
チャンは慌ててソリを追いかけた。
「30だけど17です」第15話(音楽祭の舞台へ)⑦
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ソリは途中抜けで事務所を出た。空を見て、そこに向かって手を伸ばした。
今日から開始だ。あの頃の続きを…
あの頃のように腕を伸ばしたまま、ソリはハミングして歩き始める。
―らんらからんらん♪〜、らんらからんらんらん♪〜
ソリの身体から周りに向かって楽譜の音符が次々と流れ出していく…。
事務所に戻ってきたウジンはそんなソリを見かけた。
「あっ!」
思わず叫んだ。
大きなボールが飛んできてソリの頭を直撃したのだ。ソリは足を止めるが、すぐにまた歩き出す。
―ぱんぱららんらん♪ ぱんぱららんらんらん♪
★★★
音楽祭の組織委員長のピョン・ギュチョルとリン・キムの前で、シム・ミョンファンは伝えた。
「彼女も舞台に立つそうだ」
リン・キムはすかさず反応した。
「趣旨はいいですが、プロでもない彼女がですか?」
「音楽祭を盛り上げるためだ。協力してやってください」
ピョン・ギュチョルはシム・ミョンファンの肩を持った。
リン・キムは怪訝そうに彼を見た。
大御所2人に反論するわけにもいかない。リン・キムはいら立ちを抑えて頷くしかなかった。
ソリは音楽の練習室にやってきた。すでにたくさんの人がやってきて練習を行っている。
そこにシム・ミョンファンとリン・キムがやってきた。ソリは2人に挨拶し、シム・ミョンファンの後に従う。
大きな練習室の正面に立つと軽く指揮棒を叩いた。
「バイオリンのウ・ソリだ」
ソリは挨拶してお辞儀をする。
皆の拍手を受けた時、ソリの心には高校の頃の自分が戻ってきていた。ソリにとってあたたかな拍手こそが音楽への情熱を満たす最高の贈り物だった。
また音楽に戻ってきた。ソリは音楽への情熱を共有する仲間たちの前に戻ってきて幸せいっぱいだった。
「え〜っと、リン・キム監督の資料は…」
資料を持ってソリはチン・ヒョンの許に走る。
「おお、助かるよ」
「”クラシック紀行”の下巻…」
ソリはその本を持ってすかさずヒスの許に走る。
「ここです」
振り向いたヒスにソリは説明する。
「チェックも入れてあります」
ヴァイオリンの練習に励みだして、ソリは仕事もテキパキこなせるようになっていた。
音楽祭のステージづくりにウジンもいつも以上に力が入っていた。ソリが舞台に立つのだから当然だった。
ヒスもヒョンも同様だった。
「4曲目からは特殊ライトを使おう」
「いいわね」
横から液晶画面を覗き込んでヒスは指さした。
「中央から始めて、こうして…」
ウジンも頷く。
練習に励みながら、ソリは叔父さんたちの姿を思い浮かべた。両親の代わりに演奏会場に足を運び、応援してくれたのは叔父さん夫婦だったのだ。
目標に向かう情熱ではチャンも負けていなかった。大会は近づいている。チャンの漕ぐボート オールは日に日にしなりを強めていた。
ソリは時間を捻出してヴァイオリンの練習に励んだ。お気に入りの公園での練習もそのひとつだった。
そんなソリの演奏を聴きにやってくる人もいるようになった。
そして日々は音楽祭に向けて流れていった。
クク・ミヒョンは携帯を取り出した。息子ミンギュを水から救ってくれた若者に電話するためだった。
「ただいま」
練習を終えてソリは帰宅した。
1階のリビングに人の気配はない。
その時、テーブルコーナーで携帯が鳴りだした。ソリはコーナーに走り、ローテーブルの上の携帯を握った。
ユ・チャンの携帯だ。
ソリはチャンを呼んだ。
「電話ですよ」
顔を洗ってたチャンが顔を出す。
「顔を洗ってるんだ。誰なの?」
「知らない番号よ」
「そうか。代わりに出てもらえる?」
ソリが電話口に出た。
「もしもし…」
「あの〜、ユ・チャン君の電話では?」
「いるのですが、今は手が離せないので…」
そこにチャンが顔を洗い終えて飛び出してきた。
「貸して」
チャンは急いで携帯を耳に当てた。
「はい。ああ〜、坊やは元気ですか?」
「誰?」
チャンの顔を覗き込んでソリ。
「俺が助けた少年の母親なんだ」
クク・ミヒョンは若者に言った。
「お礼を言いそびれてしまったので―学校に電話番号を教えてもらったのです。その節はどうもありがとうございました」
チャンは照れくさそうにした。
「坊やによろしく言ってください」
電話を切った後、チャンは表情をしかめた。
「当然のことをしたのにお礼なんて…恩人だ、勇敢だ、なんて言われてもなあ…」
嬉しそうにしながらチャンは自慢含みの表情で続けた。
「ほんとうに大げさだよな…」
ふと傍らを見るとソリの姿は消えていた。
「おばさん。俺の話を聞いてよ」
チャンは慌ててソリを追いかけた。
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