「ファンタスティックカップル」第1話
チャン・チョルス(オ・ジホ)は、弟分トックを伴い、今日も精力的に仕事の開拓に励んでいた。
一方、亡くなった両親から莫大な財産を受け継いだ富豪のチョ・アンナ(ハン・イェスル)。両親が幼い頃に亡くなったため、他者の心に触れる機会が少なく育った彼女は、自尊心のかたまりみたいな女として大人になった。結婚した相手ビリーも愛情で選んだわけでなかった。彼の自分への愛も富あるがゆえと割り切って結婚生活を送っている。夫と離れて暮らしていても、恋しがることもない。夫ビリー(キム・ソンミン)はアンナの財に充足している。アンナの手元を離れ、韓国のリゾート地でホテル業に精出しているのもアンナのわがままに付き合うことに疲れてしまうからである。
二人は一人ずつの自由で気ままな生活をエンジョイしていた。
アンナは父親の財テク能力を引き継いでいた。ある絵画のオークションで、値上がり確実の絵をすぐれた情報収集力を駆使して見事競り落とす。
ある日、アンナは夫ビリーのもとへ出向くことになった。夫、ビリーのホテル業がどういう按配なのか、といった理由があるわけじゃない。ただ、出向きたくなったからのようである。
さて、このアンナ。韓国に向かう飛行機の中から空港までの間に、自分本位と超絶の意地悪ぶりを遺憾なく発揮する。
まず携帯電話。機内ですのでお控えください、と客室乗務員のお願いに、早く離陸の準備をすすめなさい、と逆にやりかえす。その後、出されたおしぼりを、熱い、と怒って押し返す。その前は、冷たい、と言って押し返したようである。
これを見かねた老人が、勝手すぎますぞ、と注意するが、口が臭いから香水をつけなさい、腋臭までひどい、とやりかえす。後ろの席で童話を楽しんでいる母子には、身も蓋もない結論を子供に教えて母親をがっかりさせてしまう。
自分本位のきわめつけは運命の相手チャン・チョルスをスコップで殴打することだが、その露払いとなるのが空港におりたった時の大雨シーン。連れ合いを待つ見知らぬ男に傘をささせ、車のところまで送らせる。用がすめば、もういい、と礼も言わず車を発進させてしまうのだ。
その次にやってくるのが、第1話の表題ともなっている運命の相手(チャン・チョルス)との出会いである。ぬかるみにはまった車を三万ウォン(三千円弱? 相手につけこまない、良心的な仕事をしているのがこれでわかる)で引っ張り出してやろうというのに、彼女は例によって思い込みの激しさでチョルスを殺人鬼と間違い、スコップで顔を殴打して走り去ってしまうのだ(逆に財布を強奪するザマ?になった)。
怒り心頭のチョルスは仕事そっちのけでアンナを探しにかかる。すぐ見つけてしまうところがコメディである。しかし、随所におかしな場面がちりばめてあるのでぐいぐいひきこまれていってしまう。
第1話はアンナのかわいがっている猫とチョルス家のかわいがっている犬がひとつのキーワードとして描かれている。
金持ちだが孤独域で生きているアンナと馬車馬のように仕事に追われているが家族的な場所で生きてチョルスとの対比である。
高貴そうな猫とあまり取り得もなさそうな雑種犬のとりあわせがじつにユーモラスである。
この猫と犬だが全編にわたり、まるでアンナとチョルスの別の姿であるかのように存在感をましていく。
このあと登場してくるカンジャ(チョン・スヨン)とともに、単なるコメディでない格調と牧歌性をストーリーの底辺で支えることになる。
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