今日は7月にあったイベントの振替え休みにした。
昨晩は、木星と土星が輝いていたので、誰もいないキャンパスを歩いて、写真を撮ってみた。
時刻的には東の空に月が本来あるはずなのだが、雲に隠れているのだろう。
しばらく待って月とキャンパスという組合せも一瞬、考えてみたが、構図的には難しそうでやめた。
こちらのライブラリーセンター(6号館)という建物は北校地に立っている。完成したのは1982年。その年、建築家・大谷幸夫が手掛けた北校地キャンパス全体が日本建築学会作品賞を受賞している。
これを眺めるといつも思うことがある。
その一つが平和である。これからの時代を担う学生が生き生きとした姿で学べる社会だ。
某香港での出来事は多くの方が他人事に思っていない。日本語が流暢な元リーダーへの関心事もあるかもしれないが、日本が形は違うにしてもそうしたことを経験してきたことも大きいと思う。
この北校地を設計した建築家、大谷幸夫(代表作 国立京都国際会館、広島平和記念資料館ほか)は東大助教授として東大安田講堂事件として知られる一連の大学闘争の渦中にいた。
その大谷が、この石川の地で学生と教員が一緒になって問題を考えていける理想の建築空間を苦しみながら実現したのが、キャンパスにある1号館だった。大谷は1号館が完成した後、胃潰瘍の手術を受けたという。
建築家が苦しみながら理想を具現化しようとしたキャンパス内の大谷建築作品の精神は、その後建てられた新たな講義棟の設計思想にも継承され、今日までずっと、学生主役の空間で、ありつづけている。
建築が持つ力がどういうものか理解できる。
歴史的な点と点は線で結びついている。石川で見上げる夜空は星が輝き、理想に満ちて、どこまでもピュアである。
それでは。