東森英彦の反逆者日記

思い付きな日々の追憶

「継続」

2010-11-26 04:00:48 | 相棒との会話シリーズ
ほんとに此処でいいのか~!?全く姿現す気配ねぇぞ。さびーし。あの野郎は何をしてやがんだ!? 早く出てこいよな~。女からの電話が鳴った「どうなってる!?」どーもこーもお前が指定した場所あってんのか? 「間違いなくそこ場所よ。いいわ、手違いあったのかも。調べるから戻って来なさい」戻って来いってもよ、もう3時間居てんだぞ。いいよ、粘ってみるからよ。じぁ新しい情報入ったら連絡くれ。腹減ったな~ ん!?何だあの行列。ははん最近噂のドーナツ屋だな。コーヒーにドーナツ、あ~食いてぇ~早く出てこい
更に2時間が経った。

げっ煙草まで切れやがった。居ねぇのかな?じぁ全くの時間の無駄じゃねぇか。でも残業してる可能性も無くも無い…けど無いかも。げっもうこんな時間かよ。人多くなっちまうな~。また電話が鳴った「まだそこなの?もう怪しまれる前に今日は撤収しなさいよ。もっと掘り下げて調べるから」…解ったよ。ち、こんな日もあるか。あらこんな所に自販機あんだ!?有り難い。
小銭を出してるとドアが開いた。

あん?このビル正面ドアだけしゃねぇのか?こんな所に裏口かよ~あ!アイツだ! 間違いなくあの男だ!よし一人だ。偉いぞお前。

「もしもし?何してんの!?遅いわね」
はん!仕事完了だ。ああ、大丈夫。標的に間違いなかったし。どーだよ今回は俺のおかげだぞ。
女が笑うのが聞こえた「そうね、アンタのしつこい諦め無さの勝ちよ。ご苦労様、早く戻ってらっしゃい。何かご馳走するわ。」ふふん珍しい事言いやがんな。……あ、思い出した。そーいやお前ドーナツとか好き!?

「屁理屈」

2010-11-21 09:37:12 | 相棒との会話シリーズ
どーすんだ!?こーなるなんてよ。あんま動くなよ、手首がすれる。「何言ってんの!全く。私の言う事聞いてたら、こんな状況にはならなかったのに」
はん、よく言うぜ。お前が考えたリスクだって全く意味なかったじゃねぇか。大体俺は嗅覚で仕事して生き延びできたんだよ、それをお前が作戦だのリサーチだの、いちいち細かいからこんな目に合うんだ。「よく言うわよ、あんたのその当てにならない感に全て任せてたら、とっくの昔に2人共消されてるわよ」

男が近寄ってきた。

ち、野郎め余裕見せやがって。お前、先に俺が殺られたら、俺のベルトの此処引っ張れ。微量のC4仕込んでだ。運が良けりゃ、俺だけ吹っ飛んでこのロープ外れるだろよ。後は自分で何とかしろ。
「先に私が殺られたらどーすんのよ。待って、ロープ切れるかも。腕時計に仕込んでる物があるの、届くかな…」

男がその男には大き過ぎるかの銃を懐から出し、スライドさせた。

早くしろよ!くそっ!お前、あの世で話付けてやるからな。これからは俺のやり方に文句は絶対言わせねぇぞ。「もう少し!死んだらやり方も何もないわよ。いいから時間稼ぎして!」

男が寸前の所で段差につまづいた…『バン!!』銃声が一度響いた。 
…「あんた撃たれた?」 …いやお前は?
2人で男を見た。男はつまづいた弾みで、自分の頭を吹っ飛ばしていた。

何てマヌケな奴だ。女を見ると同じように感じてるのが解った。
「結局何だったのよ。私も失敗して、アンタもドジ踏んで、挙げ句この男はすっころんで死んで」
……さぁ、もう細かい事はいいんじゃねぇか。とりあえず無事なんだしよ。いいから早くロープ切れよ。「解ってるわよ。あれ?何だ、刃が逆じゃない。」
2人は声を出して笑った。

「押し付け」

2010-11-13 02:24:19 | 相棒との会話シリーズ
「話を聞いてくれよ、なっ。アンタが俺を殺れって言われた事は解った。でもその依頼した奴は間違ってんだ!誤解してんだよ!くそ、ほんとなんだって、話つけるからさ!ちょっ…」 眉間に押し付け引き金を絞った。往生際の悪い奴だな。お前の事情は俺には関係ねぇんだ。

部屋に戻ると女がやけに赤っぽい茶を飲んでた「終わった!?ご苦労様」 問題?いやなかったけど、アイツ最後までゴネてたな。 「当たり前でしょ、素直に死ぬ人間なんていないわよ」 …そうかな?俺はこの仕事で思った事があるんだよ、最後の瞬間は何て言うか、相手は理解するもんだって。ゴタゴタなんて言わないし、もっと敬意ある事なんだよ。「ふ~ん、まぁいいじゃない。ちゃんと仕事して来たんだし。お茶飲む?」 良くないね、アイツは自分の死を、尊厳を傷つけたんだ。最後の自分さえにも泥を投げつけたんだ。「アンタはほんと細かい所気にするんだから。本人が敬意なんてクソくらえってんなら仕方ないじゃない」
俺の気がすまねぇよ。仕事だけど、何か神聖なモノを感じるんだよ。得体の知れない赤っぽい茶を一口飲み、女は一人ごちした「誰かを知ろうと思ったら、その誰かが生きた年月分の物語があるって事よ。その往生際の悪さだって物語の一つなの。たまたま相手の人生にアンタがピリオドうったけど、相手の人生では、その最後はまだ物語の全てではなかったのよ。」 そーゆーもんかね。納得してねぇけど。 「こう思いなさい、アンタが敬意を持ってヒットする事こそが、相手の尊厳を守ってると。それがアンタを守ってると。」 なるほど。まぁうまく言われてる感じするけど、いいやそれで。納得してやるよ。女は笑って茶を注いだ「自分のルールは自分に当てはめるだけでいいのよ。無事終わったんだから、お茶でも飲んで力ぬいたら?」 一口飲んでみる。ぶぇっ!なんだよ!!これ!ひでぇ味だな! 「知りたい?体の自浄作用もあるんだって、この間本読んで………」

「手段」

2010-10-13 04:18:04 | 相棒との会話シリーズ
マジーな、人が多くなってきやがった。でもここで殺る契約だって、アイツには念押されてるしよ。手持ちの得物じゃ距離があるし。ち、何だよこんな時に。受話器をとった。「あんた、見えてるわよ。何で早く終わらせないの。此処が指定の場所なのよ」 アイツいつの間に…どこにいてんだよ? 全く、来るなら来るって言えよな。「大体あんた、何でもっとオッキイ得物を使わないの!?近くまで行けない場合だってあるのは解ってるでしょ。」ちっ俺はこれが好きなんだよっ。昔からコイツで仕事してきてんだ。そんな事お前に言われたくないね。「子供じゃないんだから。何でもいいのよ、始末さえすれば!」 うっせーな、解ってるよ。 ギリギリ気付かれない距離まで近いた。狙うには微妙な距離だな~。 ゆっくり引いた。標的が倒れるのを見て雑多な人々が騒ぎ出した。 さてと、こっから早く離れないとな。 お、何だお前…「こっちよ、向こうに車があるの。無事遂行したし、後は早く消えましょ」逃亡ルート確保してたのか?でも何で?「依頼されたこの場所、人通りも多いしリスクが高いじゃない!?当然よ」じぁ
何で受けたんだよ。俺の腕を高く買ってるからか?「あんたがその銃にこだわらなければね。その時々で柔軟に対処しなくてどーすんのよ」 ふん、そんな簡単に自分を替えられるかよ。うまく行くにしろ、行かないにしろ、自分のやり方だったら仕方ねぇじゃねぇか、チャンスなんてそんなもんだろう!? 車に着き、女が素早く発進させた。「私は違うわよ」無事現場から離れて行く車中で女は言った。じぁよ、お前ならどーしてたんだ?「後ろ見て」ライフルが座席の下にあった。「私は多分、うまく行く方法をとってたわよ。手段は関係なくね」けっ最初からお前がやれば良かったじゃねぇかよ。ふん。「私は私、あんたはあんたよ。リスクを考えるのが私の仕事、あんたはあんたの仕事をやった。危なかったけどね」……俺が失敗してたら? 「私がそのライフルで標的を始末し、あんたも始末してるか、置き去りにしてるわ。」コノヤローお前はプロだな。「でもチャンスにはリスクがある。だからこそ、いつもより報酬を高くしたのよ。そんなもんでしょう!?」女はこっちを見て笑った。ふ…ま、そうだな笑

「理不尽」

2010-09-16 10:02:38 | 相棒との会話シリーズ
女が言う「この男が別に世の中にとって邪悪な訳でもないし、慈愛に満ちてる訳でもない。ただの男なのよ。私達には関係ない」ズレた眼鏡を直す仕草が艶々しい。ま、ターゲットがどんなのとか関係なねぇしな確かに。でもまさか相手は思いもよらないだろな、自分の知らない所で運命決められるなんてよ。なぁ俺らも、どっかで勝手に運命決められるなんてあるんじゃねーか!?こっちは人の人生終わらしてるんだしよ。何か生きてる間の出来事なんて不公平に思えてくるな~。真面目に生きてて意味あるのかな? いや俺らは地獄行きかもしんないけどよ~、でもな~んか嫌な感じだよな。害なく生きててもこーゆー依頼が来て的にされてさ。依頼する奴が極悪人なのによ。回転イスを弄んでる女が眼鏡を外してこっちを見た。「そうね、アンタの言う通りよ。人生は不公平だし、理不尽よね。で!?、それが解って何が変わるの?それでもどんなに嫌でも人生は続くのよ」女は煙草に火を付けこっちに吐いた「繊細なのね、こんな仕事してるのに」笑うと可愛いな。こいつこそ何でこんな仕事してんだ? あれ、俺の煙草がないぞ…女を見た。「これアンタのよ
。キツいの吸ってるわね。」俺に箱を渡して言う「ほら、戻ってきたじゃない。気づかなければ私が全部吸ってたかも」と微笑した…この悪党め。