雑居ビルの裏手で待っている。
今回の相手はこのビルに頻繁に出入りしてる事は分かってたので、下見に来てるのだ。数日間見張ってると、何回か標的がビルに寄るのを見かけた。
ところがその相手は健康志向なの?!
必ずエレベーターを使わずに階段で昇り降りしてる。
何処の階に行ってるのか分かりづらい。
何だよーっ。文明の利器使えよーっ。
階段ってさ。何の修行なのさ!!
こりゃダメだ、別の場所でやるかーっと思った所に相手が出て来た。とりあえず尾行する。職場のビルに着く。
あの雑居ビルは何の為に行ってるんだろうか?! 怪しい事でもしてんだろ、殺してくれって頼まれるくらいだし。
さりげなく会社が入ってるビルのエントランスまで見届ける。まさかな?!と興味に負け、案内板を見る振りして相手を確認してやると、、、、、嘘だろ!!
コイツ何目指してんの!
会社でも階段を使ってる。
何だ?!あれか?用心してんのか??
いやコイツは普通の会社員だと資料にあったし、狙われてるなんて思ってもないだろう。
普通ならエライ!と褒めてやりたい事なんだが。殺す相手とすれば健康バカ!!と言ってやりたい。
は〜どうすっかなぁ。
今日は止めとこう、とマンションを後にする。
後日、また雑居ビルに来やがったので、俺は裏の階段に座って煙草を吸いながら出るのを待つ。中の階段は部外者が往来するには目立つし。何か良い方法ないかなぁー。
プカプカしてると上から人が降りてきた。
その相手だった。
俺はそいつを突き落としてから、止めを刺した。 うん、何かあれだ。。。うん。
事務所に戻る、ふと階段で昇ってみようと
思ってやってみた。
いや6階はしんどいなぁ。すげ〜なエレベーターって。
部屋に戻ると女はカップの片付けをしてるところだった。
「お疲れ様、今日はどうだったの?!」
無事終わったよ。
「そう、さすがね。ご苦労様」
といい出掛ける支度をする。
あれ?もう帰るのか?
「お茶が切れちゃって。たまには違う名柄試そうかしら。」
いやいつも違う種類飲んでるだろ!!
じぁ俺も行こうかな。
俺の口に合うのも欲しい。
「そ!? じぁ行きましょう」
とドアを開けエレベーターのボタンを押す。
「なーにー? ジジくさいわね?!降りるくらい階段でいいじゃない。」
いや昇って来たんですけど階段で。。。
「健康は足腰からよ。」
と言って女は階段を降りた。
階段は万能じゃねぇからな!
エレベーターに謝れ!!
結局俺は女の後に続いた。