横たわっている男を見下ろして、俺は今色々と考えてる。
首の骨を折ったんだが、依頼の内容は殺されたと明らかに解る様にとの事。
困ったな。
外傷あるわけでもないしな。
いやこんな簡単に済むと思ってなかったし。
相手は狙われてると知ってるって聞いてたんだが?!
警戒心の薄い事!!
俺の腕が良いのか?
いやいや喜んでる場合じゃない。
どーしょ?
とりあえずあれだ、今から顔でも殴っとくか。死後って痣つかないんだっけ?手を後ろ手に縛っとくとか、それだと殺されたと解るだろ流石に。
俺はあーだこーだ寝転がってる男をそれなりに演出した。
よし、コイツは捕まって猿轡されて、首の骨を折られた!
うんこれで、、、いいと思う!!
はー疲れた。
女にその事を言うと
「それはお疲れ様。でも別に何もしなくても依頼内容は果たしてたんじゃない?
階段の下とかじゃない部屋の玄関で首が折れるってないでしょ?!」
何その俺のプロ努力否定。
律儀に依頼人の期待に沿う様致しましたのよ!!
「はいはい偉いし、プロよね。
でも何か主婦みたい。」
女は欠伸してお茶を飲んだ。
何で主婦なの?
その茶の色ちょっと黄色過ぎないか?
「だってチラシに載ってる安い品物を買いに行ったのに、安いからって他の物を買って結果的に余計な買い物しちゃった、みたいな!?」
.....少しわかるけど、その例えは嫌だ!!