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眠る場所



23日は友人の命日で、墓参りのため鎌倉に出かけた。普段は日野にある祖父母の墓と一緒に、スクーターで墓参りのはしごをしていたが、今回は友人の奥さんに倅、会社の同期達が行くというのでそれに参加。北鎌倉はレトロ風CMのバックに使われるくらい、昔の面影を残した不思議な駅だ。

早く着きすぎたので先に墓まで行くことにした。有名な建長寺の中にいくつか建物があるのだが、そのうちの一つ、回春院という一見怪しげな名前の寺に友人の墓はある。友人が入った頃は、6~7家分の墓しかなく、静かに眠るには絶好の場所であった。

墓の掃除をしていると、通る人が挨拶してくれる。流石に檀家が少ないと共同体意識が高まるのか、みんな愛想がいいなと感心したが・・よく考えると、この日は紺の作務衣を着て行った。ひげこそ生やしているが、頭はツルツル・・本物の坊主に間違えられたんや~(笑)。お釈迦様、ごめんなさい。

周りをよく見ると、敷地のほとんどは墓でうまり、しかも近くには大きな石が置かれ、そこには大島渚の名前が彫られていた。『こんなのが近くにいるんじゃ、夜中にバカヤローとか言い出してうるさいだろーな』と言うと、『大島渚はまだ生きている』と友人達の突っ込みにあった。

いつの日にか、ホントに入られた時に酒でもかけてあげようと思う。落語の野ざらしではないが、奥様の小山明子さんなら幽霊でもいい。出来れば若い頃のカッコで出てきて欲しい。間違っても、あのおっさんには出てきて欲しくないなぁ。うるさそうだし、こちらも『あんたの東京戦争戦後秘話ってつまらんかった』位しか言えない。

墓参りの後は皆で酒池肉林と決めていた。小町通り、鎌倉駅近くの二階に静かで格安のステーキハウスがあったのだ。墓参りに精進落しもないが、ここでステーキをつまみにビール騒ぐ?つもりだった・・・のに、店が無い。喫茶店になっていた。狂牛病のあおりだろうか。いい店だったのに。ついに名前を忘れたまま、消えてしまった。

やけになり、その近所で草餅を食べながら帰る。有名な店らしく、我々以外にも立ち食いの客がいた。餅自体が美味く、餡の甘味も丁度いい加減だった。表面には、黄粉でなくはったい粉がまぶしてり、いいアクセントになっている。ここが遠くの店で良かった。家の近所だったら、しょっちゅう買ってたな。
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