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カラスの恩返し

名作“忍者武芸帳”や “カムイ伝”の作者である白土三平氏には漫画だけでなくフィールドノートというアウトドア系の著書がある。房総の漁師町で暮らしながらそこでの生活を紹介しているのだが、使う道具はプロ用で彼らと関わった生活を紹介しているため、最近あちこちで目にする、にわか田舎暮らしレポーター物?とは一線を画している。

その中でハコフグを房総での呼び名ヤマンモンで紹介していたが、この名は海に落ちたヤマモモの実をハコフグが待ち受けて食べるという言い伝えから来たそうだ。最近はこのヤマモモは街路樹に使われだし、うちの周りでもよく見るようになったが子供の頃は余り身近には見かけなかったように思う。

2014年に退職し、関西に戻ってきて毎朝甲山の公園を歩きだしたのだが、ここに何度も上げたヤマネコたちと友達になる。その中で一番懐いた熟女ニャンコとは恋仲になるのだが、右耳の先がV字に欠けており桜の花びらみたいだったのでサクラと命名した。きっと子猫の頃、カラスにでもやられたと思い込み、おやつの残りを目当てにやって来るカラスには石を投げていた。



ところが、その後ニャンコの世話をしているネコ婆ちゃんから耳先のカットは野生ネコに不妊手術を施した証と教えられ『悪かった、カラス。ごめん』(笑)。お詫びにニャンコの残りを石の上に置いてくるようになった。七子に八郎と名付けた2羽(ほんとにオスメスかは知らんけど、クロウの兄姉ということで)に至っては口笛を吹くと寄って来るまでになった。

このニャンコ広場にはヤマモモが何本も植えられており、味も良かったのだがいかんせん粒が小さい。種はデカく、実は小さいとなると食うとこはちょっとしかない(笑)。この公園の入り口にはヤマモモの巨木が植えられており、かなり大きい実を付けるのだが、成っている場所が高すぎて手が届かん。



ある朝早くに公園に行くと、大粒の実を付けた枝が落ちていた。枝のおかげで実は地面に付かず、汚れていない。食べると甘く美味しかった。それから何度か同じことがあったが、強風か実の重さで枝が折れたと思い、気にせずに食っていた。ところがある日、風もないのに実が付いた枝が目の前に落ちてきた。見上げると巨木のてっぺんにカラスがいるじゃないか。あれはきっとおやつのお礼だったんだと今でも思っている(笑)。
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