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物語は終わりから始まる

冬の休みでのんびりしている。正月だからと特別なことをしなければ普通の休みだもの。とはいえ朝から婆さんの言いつけでドでかい新巻を切り身にさせられ、その後は庭の池に入水自殺?した鳥を埋葬させられた。新巻の解体ショーはさすがに疲れ、手には出刃庖丁タコが(笑)。マグロ1匹を捌く魚屋は尊敬に値すると思う。

最近は定年後を見据え、保存したい本やCDはなるべく実家に送るようにしている。たまに頼んだ覚えの無い本があったりするのがご愛嬌である。(へぇ、自分で頼んで忘れてるだけですが・・・)今回楽しみに帰って来たのが珍獣王国のCDだ。

ここに何度か書いているが、このバンドは珍獣王ことVo、ブルースハープの山下純一君、ギターの篠原裕君が中心となって作られたグループだ。初期はピアノの門田守君、サポートとしてベースの山田晴三さんが参加している。最近は若手ベーシストNo1の有福珍君に変わったようだ。残念なことに、この11月惜しまれながら解散してしまった。

ぼーずは彼らのオリジナル『逆境じゃ最強』が大好きだった。あれが聴けなくなるのは残念で、音源があるかと聞くとCDがまだあると言う。迷わずオーダーした。伸ちゃんがプロデュースしたからという訳ではないだろうが、ブルース色を感じさせられたアルバムだった。

純君は全盲で車イスという大変なハンディを背負っているのにそれを感じさせない快活な人だ。彼に会った頃は妹尾師匠に『栗食べてはりましたな』と言っていたのでてっきり視力のある人だと思っていた。2回目に会った時は声を覚えておられびっくりした覚えがある。

最近は手の動きも不自由になってきたため、マイクは腕にテーピングしハンドビブラートが使えないので、ブレスだけでビブラートを付けると言う神業で勝負している。口腔内での空気を上手にコントロールしているのだろう、ベンドの滑らかさが本当に素晴らしい演奏者だ。

彼らが言っていたが、仲たがいして止めるわけではない。この後、また同じ面子で演奏する機会があることを願っている。終わりは始まりにつながる。また元気な声で『逆境じゃ最強』と歌って欲しい。
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