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発送の転換

86年だったろうか、トヨタは割安な休日の電気料金を使うため1社単独で土日出勤を実施したことがあった。当時、長年努力して労働条件を良くしてきたと自負するドイツで暮らしていたこともあり、『休みにまで働いて、金儲けか』と貿易摩擦を起こさねばいいがと危惧していた。が、トヨタ社員だけでなく関連会社を始め国内での不評が大きく、すぐ廃止になった。

今回の土日出勤は自動車業界全体の取り組みであり、なによりも平日のピーク越えを避ける為と言う大義名分があるのですんなりと通ったようだ。この案に懐疑的であったぼーずだが、木金ともに1000万Kw程の余裕を産んだ事実を前にすると『参った』と言うしかない。

正直なところ家庭持ち、特に小さな子供のいる同僚達にはすこぶる評判が悪い。曰く、子供との時間が取れない、土日に世話をする人がいない。とは言え効果は歴然としている上に、期間も冷房に電力が取られる夏の間だけだ。気持ちを切り替えて行くしかないだろう。おまけに平日の休みは悪いことばかりではないと思う。

ぼーずの同級生であり親友のユミちゃんは自分で会社を経営するやり手ママであるが『もし次ぎ、男に生まれたら絶対あんたの会社に入る。年に三分の一は休んでるもん』と言うのが口癖である。これは多分に誇張された事実であるのだが、平日に休みを取り『日比谷公園でビールなう』等と言うオチョクリメールを送りつけていた当方に責任がない訳ではない。

断言するが、太陽の下で平日の真っ昼間に飲むビールは暗くなってから飲むより格段に美味い(笑)。更に言うと、平日のレストランは空いている上、割安のランチメニューも豊富だ。割引日に限るが、映画を見てから昼飯を食べ、2千円で釣りがくる。総ての施設が空いているのだから、子供に学校サボらせてディズニーランドという親がいてもいいだろうに(アカンかなぁ?)。

高校の頃、京都の美術館でマグリット展があった。日曜はメッチャ混むので学校へ行く振りをして制服を着たまま京都に向かう。途中、阪急京都線の電車の中でいきなり『お前、何してるねん』と言われた。なんとすぐ横には卒業した元監督生(下級生を監督する生徒。いわゆる海外でいうPrefect)Tさんがいた。

さすが模範となるべき監督生で現役で京大に入学し、神戸からの通学していたのだ。『いやぁ、お久しぶりです。今日は自主休講で岡崎の絵画展に行きます』と苦し紛れの言い訳。その後、暫くは生活指導教師からの呼び出しに怯えたが、無事だった。堅物だったTさんだが、チクリは性に合わなかったのかもしれない。

開館と同時に入った美術館はガラ空きで。マグリットのシュールな世界にどっぷりと浸れた。その後、岡崎公園のベンチで一人、弁当をパクつく制服姿の高校生を見て不審に思われなかったのはラッキーだった。なんせ、当時は今と違い、見逃してくれない大人が多かったのだ。
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