未だに親から言われるのだが、『明日は上野動物園に行こうね』と3歳になったぼーずに言った所、『僕は下の動物園がいい』と言ったそうだ。こんな頃から上下が分かっていたなんてなんて利発なお子さんや!と感心したのは大人ぼーずだけ。親は可愛げの無いガキやな、どついたろかと思ったそーだ。センダンは双葉よりひねくれていた。
人の言うことを素直に聞かない奴にはやっぱり腹が立つ。ドイツ駐在中にヨーロッパで、少なくとも1985年頃の欧州では冷コ(レイコと読む。関西でアイスコーヒーのことをこう言う)が無いという結論に達した。ドイツ人の同僚に作って飲ませてみたら、今まで飲んだことが無いが味はまあまあだと言われた。たまにカフェでアイスカフェというメニューを目にしたことはあったが、100%コーヒー味のアイスクリームだった。
ある日、出張者をカフェに案内し、そう言ったところ、ここのメニューに写真付であるじゃないですかと言い出した。それはアイスクリームだと思いますと言っても信じない。それじゃ頼んでみたらと言うより先にその男はオーダーしていた。うーん可愛くない奴め。ところが、運ばれてきたのは確かにアイスコーヒーフロートのようだった(マズイなぁ)。
ヘー、初めて見ましたよというぼーずに向かって勝ち誇った笑顔を向けながら、その男はストローを咥えた。『アチーィ』悲鳴を上げたのはそのすぐ後だった。なんとそのアイスカフェはガラスのコップにホットコーヒーを満たし、その上にたっぷりのホィップクリームで断熱してからテッペンにアイスクリームを飾るという飲み物だったのだ。(最近流行のアッフォガードみたいな飲み物だった)
熱いコーヒーをストローですすった男は喉にヤケドを作り、しばらくぼやいていた。『韓国料理屋で冷麺でも食いますか?』と聞いたものの心の中で大笑いをしていたぼーずであった。・・・・ちょっと意地悪だったかな?
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