ありきたりのシアワセ UK

little things in Britain

奇跡のリンゴ

2010年01月24日 11時40分12秒 | media
hiroexさんの英国ソコヂカラでこの本の存在を知った瞬間、これは絶対読まねばと思った。


いつも思うのだが、必要な言葉は必要な時期を見計らってやって来る事が多い。
もしくは、“その時期”ではない時はきっと耳に入っても心までは届かないのだろう,と思っている。

この本もそうだった。
欲しいなと思ってから10ヶ月、やっとのことで日本から私の手元にやってきてくれた。大事に1ページ1ページ読んだ。

簡単に言うと青森のリンゴ農家の木村さんのお話だ。






青森は大きく分けると津軽地方と南部地方に分けられる。
私の故郷は南部地方、そしてこの本の主人公、木村さんはリンゴの生産量が多い津軽地方だ。


この木村さんのすごい所は、現実では不可能と言われていたリンゴの無農薬栽培に成功した事。
こうして一言で言うとなんてあっけないのだろう。木村さんの通ったいばらの道、家族や隣家の方々の苦労、そしてその後の素晴らしい業績を考えるとその一言で言ってしまう事に躊躇してしまう。


青森に限らず小さな町や村へ行くと、その場所の”村社会”と言うものが存在する。
秩序を護る為には必要な事なのだが、なにか突出しようとするものを、
例えば、白血球が外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除しようとする様に、村全体で押し出そうとする。村の自己治癒能力と言ったら聞こえがいいが,まぁいわゆる村八分と言った方がしっくりくるかもしれない。



木村さんが住む周辺の他のリンゴ農家の方々を避難しているわけではない。
逆に、この昨今もしこんなことが隣りのリンゴ園で起こったら、嫌がらせの為に
“何か”をする事も可能だろうが、中には静かに見守ってくれていた隣家の
リンゴ農家の方もいらっしゃったわけだから、私が言うのも変だが
とても感謝の気持ちでいっぱいになった。


この木村さんのした事の中で特に驚かされたのは、この無農薬でリンゴを育てる事に成功した後の行動だ。
不覚にも電車の中で号泣してしまった。



この本には、私が忘れかけていたものや言葉が沢山潜んでいた。
きっとそれを思い出させる為にこうしてわざわざ日本から
私の元に届いたのだなぁと感慨深く思う。



hiroexさんを真似て、我が家の課題図書と認定することにした。
何度でも読みたい本の1つ。
hiroexさん、おしえてくれてありがとうです。

Rにもいつか説明してあげよう。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TVで観たよ (mamaさん)
2010-01-25 11:01:11
しっかり大地に足をつけて生きている人ってまだまだいるのよね。
もう一人稲作農家の方で同じように自然の力を引き出す農法を実践してる人もいらしたわ。
お金をまわして利益を上げるのを胡散臭く思ってるので、こういふ人が普通に暮らせる社会こそ健全だと、深くうなずくのでした。
この本探してみるね?
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本が出てるんですね。 (マナ)
2010-01-25 15:15:16
私もTVで見ました。すごいですよね。なんか懐かしくて暖かい感じがしたな。
私も本屋で探してみる!
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Unknown (to mamaさん)
2010-01-25 18:04:42
私もテレビで見たかった~

このリンゴすごく高く売れるんだろうなぁ、この農法も特許で行けるよなぁ、
なんて考えてたら頭がつんとやられました。ここがこの木村さんの大地に足つけて生きてると言える所かなと思います。
それに青森の方だしなんだかすごく親しみが湧いて、なんども読んじゃいました。
無農薬の野菜や果物を普通の農薬で作ったものより安く売る、これが実現したらすごいなぁと思います。
”人間は植物に寄生している生物”
その私達が自然のバランスを壊しちゃいけないですよね。
沢山の方に読んで行きたい,この木村さんの本です。
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創めた人ってすごい (おふみ)
2010-01-25 23:32:39
この本読む!
そいで感想書くね。
エコクラスで埼玉の小川町で1971年に有機農業をはじめた金子美登さんを思い出した。金子さんも先駆者の一人でたくさん苦労して今があるのだそうだ。ぜんぜん関係ないけど、一昨日エククラスの新年会ではいさいに行ってきたよ~。

木村さんことは初めて知ったので本買いに行かなくちゃ。読まなくちゃだわ。
ありがとー
それと、
蒸しウニオニギリは八戸駅の新幹線改札中と、
青い森鉄道への乗り換え口すぐのキオスクで売ってるよ!
今年も宜しくね!!
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Unknown (hiroex)
2010-01-26 01:25:23
ただのきっかけですが、読むきっかけになれたのが嬉しい本ですよね。
リンゴのことが書かれているのですが、その周りの家族のこと、地域のこと、考え方と話が自分のなかにも波及してくる本なので、津軽ご出身のnaokoさんが読まれるとまた感ずるところが大きいのだと思います。
私も久しぶりに読み直そうかな!
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Unknown (to マナちゃん)
2010-01-26 08:10:59
その育てるものによっても、無農薬が比較的取り入れやすいものとそうじゃないものがあるみたい。
リンゴは農薬をなくすと90%収穫量が減るそうです。きゅうりも同じく難しいらしいけど、きゅうりは毎年種から蒔けばいいから、やはりそう考えるとリンゴの無農薬に取りかかるという事自体、頭が狂っていると思われても仕方のない事だったみたい。

リンゴの木に話しかける木村さん、
なんか親しみ湧いちゃうんだよね。
木村さんのよく冗談言って笑う所は青森の人というより沖縄の人って感じ。この本の表紙の笑顔もいいよね~
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Unknown (to おふみ)
2010-01-26 08:19:37
1971年に既に有機栽培を始めていた方がいらっしゃったんだね!びっくり。
パイオニアはすごい,その分血のにじむ苦労もあるだろうけどね。ありがたい。

別に自分は何もしてないけど,同じ青森県民というだけでなんだか誇り高く思うのが不思議。リンゴの県で産まれて
リンゴ食べて育ったけど、リンゴの事何も知らなかったなぁとつくづく思ったよ,これ読んで。
そう言えば県のニュースで台風や大雨が降るとよくリンゴ畑が画面に映って,被害だどうのこうの言ってたっけなぁ、っていうくらい。でもそれはリンゴ農家にとっちゃ生活をも脅かす出来事なんだものね。

津軽弁でちょっと南部とは違うけど,やっぱり同じ県だし、やっぱり方言は心がぬぐだまるじゃ。
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Unknown (to hiroexさん)
2010-01-26 17:36:56
こう言うきっかけがとても嬉しいです。

今また読み返しているのですが,弘前に行きたくなってしまいました。最後に行ったのはまだ小学生だったような。桜がとても有名な素晴らしい場所です。

ちょっとホームシック?笑
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