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コルネイユ / ザ・バース・オブ・コーネリアス

2007-09-21 | Disc Review
今回は、FOX CHANNELにて好評放送中のドラマ『Dr.HOUSE』シーズン2のエンディングテーマとして流れている「トゥー・マッチ・オブ・エヴリシング」でお馴染みのコルネイユの英語デビュー・アルバム『ザ・バース・オブ・コーネリアス』を取り上げたいと思います。

実際、FOX CHANNELにおいては、ドラマ『Dr.HOUSE』シーズン2のスポンサーにもなっていることもあり、とりわけ「トゥー・マッチ・オブ・エヴリシング」については、スポットCMを中心にヘビーローテーションとなっていることもあり、頻繁に耳にする機会が多いのですが、何度も耳にするうちに気に入って、購入に至りました。

とにかく、「トゥー・マッチ・オブ・エヴリシング」に代表されるように、このアルバム『ザ・バース・オブ・コーネリアス』に収められている楽曲は、どれも暖かみのある優しいオーガニックなサウンドと優しげでやや陰りのある温かい歌声が印象的で、派手さはないものの聴き手の心に入り込んでくるものがあります。

また、歌詞も(祖国ルワンダでの経験についての1曲を除いて)愛に満ち溢れており、コルネイユの人柄が伝わってくるようなのですが、実は、コルネイユは、少年時にルワンダ大虐殺を経験し、両親、兄2人、妹の家族すべてを、それも自宅で、目の前で失う、という愛別離苦の悲劇を経験しており、コルネイユだけが奇跡的にソファの下に身を隠して生きながらえ、歩いて当時のザイールに逃げた後、亡き両親の旧友を頼ってドイツに渡り、その後、パリでも生活した後、カナダ・モントリオールに移住して道が開けた、という人一倍の艱難辛苦を体験し、乗り越えて成功を掴んだという経歴の持ち主なのです。(実際、本作でも「I'll Never Call You Home Again」という曲では、祖国ルワンダでの経験について素直に歌っていますし、「A Man Of This World」では、祖国を後にしてからの人種差別経験について素直に歌っています。)

そういう意味では、真の悲しみを経験した人だけが持つ優しさが、素直に曲に現れているからこそ、聴く者の心に優しく染み渡っていくのでしょうし、人一倍、愛に対しても素直に向き合えるからこそ、その発せられるメッセージは聴き手の心にリアルに響くのでしょう。

とにかく、全曲、コルネイユの手による作品で、プロデュースもコルネイユ自身が手がけたまさにセルフプロデュース作品でもありますので、まだ聴いたことがないという方が居られましたら、まずは下記オトフレームより、是非とも試聴してみてください。今のように殺伐とした世の中だからこそ、一人でも多くの方に、命の尊さと失うことの悲しさ、本当の悲しみと優しさを知るコルネイユによるこれら普遍の愛の歌の全てに耳を傾けて頂きたいと思います。




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