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ダニエル・パウター / ダニエル・パウター

2006-08-19 | Disc Review
今回は、先日の日本で初めてとなる東京での一夜限りの単独公演も記憶に新しい、カナダ出身の今年35歳になる遅咲きの新人シンガー・ソングライター、ダニエル・パウターのデビュー・アルバム『ダニエル・パウター』を取り上げたいと思います。

初めてダニエル・パウターを知ったのは、昨年末、ジェイムス・ブラントのデビュー・アルバム『バック・トゥ・ベッドラム』日本盤が発売になった時で、アルバム『Daniel Powter』輸入盤が同じ試聴機に入っていたことから、ついでに聴いたのですが、その時はそんなに惹かれなかったので、購入にまでは至りませんでした。しかし、今年春頃から街中やレコード店内で頻繁に「バッド・デイ~ついてない日の応援歌」を耳にするようになり、しかも耳にすればするほど心に沁みこんできたので、アルバム『ダニエル・パウター』日本盤の発売を機に試聴機で再度じっくり聴いてみたところ、全曲聴いていて心地よかったので、購入に至りました。

それにしても、まさかその後、米国でも同時期にシングル「Bad Day」がビルボード総合シングル・チャートで2006年4月8日から5週連続全米No.1を獲得し、このアルバム『ダニエル・パウター』も2006年4月29日付ビルボード総合アルバム・チャートで初登場で最高位9位を獲得する程の大ヒットになるとは、正直予想だにしていなかっただけに、大変驚きました。(尤も、アメリカの超人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』で、エンディング・テーマとして、落選者の映像と共に毎回フィーチャーされていたという背景を知ってからは、納得しましたけど。)

実際、(『アメリカン・アイドル』という大ヒットした背景があるアメリカと異なり)ヨーロッパ各国、オーストラリア、本国カナダでは、ラジオで評判を呼んだことから昨年、先に大ヒットしており、そのまま勢いは日本にも波及、日本でもヘビー・ローテーションやパワープレイが続々と決定したことからラジオで評判を呼び、洋楽の新人アーティストとしては異例の大ヒットを今年記録した訳ですが、このアルバム『ダニエル・パウター』の内容自体はいたってシンプルでオーソドックス、それ故にポップでキャッチーなメロディーとファルセットを多用したブルー・アイド・ソウルなヴォーカルの美しさが際だった美しい作品となっていると言えます。

因みに、このアルバムのプロデュースを手がけたのは、エルヴィス・コステロ、スザンヌ・ヴェガ、クラウデッド・ハウス、ザ・コアーズなど、多くのアーティストを手がけてきたミッチェル・フルーム。ということで、この等身大で自然体な雰囲気は、決してオーバー・プロデュースしない、アーティストの実力や魅力を素直に引き出すことに長けた超売れっ子プロデューサー、ミッチェル・フルームならではのサウンド・メイキングとも言えるかと思います。

それにしても、シングル「バッド・デイ~ついてない日の応援歌」がそうであったように、このアルバム『ダニエル・パウター』のその他の収録曲も全て、5年かけて書いた歌ということで、5年分の経験が凝縮されているからなのか、耳にすればするほど歌詞と共に心に響いてくるので、聴けば聴くほど聴く者を惹きつけて止まないのでしょう。フランスでブレイクした後、ヨーロッパ各国で大ヒットを記録、結果的には日本や全米も制覇したという事実が、そのことを証明していると言えます。

ということで、まだダニエル・パウターを聴いたことがないという方は勿論のこと、流行りモノの音に飛びつくみたいな嫌悪感のせいでこのアルバム『ダニエル・パウター』の購入を躊躇していたり敬遠している方が居ましたら、是非とも購入に踏み切って下さい。やはり、良い物は良い訳で、聴けば聴くほど、このアルバムが聴かず嫌いにしておくにはもったいな過ぎる程素晴らしい、どこか懐かしくも新鮮でキャッチーなポップ・チューン満載の正直でリアルな作品だ、ということがわかると思います。因みに、歌詞や試聴は公式サイトにありますし、また、今年秋には初の単独でのジャパン・ツアーも決定し、11月28日大阪国際会議場 メインホール、11月29日東京国際フォーラム ホールA、12月1日愛知県芸術劇場 大ホールで行われますので、興味のある方は、是非ともライブもチェックしてみてください。


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5 Comments

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はじめまして (J美)
2006-08-20 14:39:51
TBありがとうございました。

このアルバムはなかなか楽しめました。

メロディーラインが優れているので、洋楽が苦手な方でも口ずさめるような感じに思います。メロディ・メーカーとして今後も期待できそうですね!
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コメント&TBありがとうございました (Taka@管理人)
2006-08-20 21:26:46
早速のコメント&TB、ありがとうございました。



私の場合、ダニエル・パウターとは同世代ということもあるのかもしれませんが、多感な時期に慣れ親しんだ80's(エイティーズ)の洋楽に似た彼の音作りに、親近感というか懐かしさのようなものを感じたりもしています。とにかく聴けば聴くほど嵌ってしまうアルバムですね。
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『めざましテレビ』 (Taka@管理人)
2006-08-20 21:27:40
8月9日朝に『めざましテレビ』に生出演した際の、「バッド・デイ~ついてない日の応援歌」の貴重な弾き語り生演奏映像も、下記URL先で対訳付でご覧になれますので、興味のある方はそちらもチェック下さい:



http://www.youtube.com/watch?v=pbvEtiJmXH8
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ダニエル・パウター (Kintaの名曲名盤宝箱)
2006-08-22 10:08:31
Taka@管理人さん、

TBありがとうございました。

シンプルでキャッチーなメロディは、最近の音の詰まりすぎたものに疲れていたので、懐かしくもあり新鮮でもありました。ダニエル・パウターをきっかけに、結構SSW系にはまりました^^
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コメントありがとうございました (Taka@管理人)
2006-08-24 02:33:07
こちらこそコメント、ありがとうございました。



最近は、素晴らしい新世代のSSW系がほんとに増えましたよね。私も、ジェイムス・ブラントやダニエル・パウターをきっかけに、今まで以上にSSW系や所謂ピアノ・エモ系を注目するようになりました、ハイ。
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