愛犬散歩と&菜園暮らし~三回目の再登録(^_^;)!

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「お遍路が一列に行く虹の中」風天

2021-03-30 18:27:24 | 趣味の読み物
    四国で巡礼するお遍路さん、黙々と一列に山道を登る先に綺麗な虹が!
    寂しげでもあり愛おしげでもある、風天独特の目線でお遍路を詠んだ句。
    
    




<「風天」は渥美清の俳号!>
役名/車寅次郎、芸名/渥美清、本名/田所康雄、更に俳号/風天が有った!

渥美清関連資料を調べて行くうちに、彼が趣味で俳句を詠んでおり俳号は風天
俳人森英介さんが、風天=渥美清の作品を発掘「風天 渥美清のうた」の本を書いていた
       

今回は、渥美清(田所康雄)の新しい一面、俳人・風天から俳句を勉強しました
    




<2008年出版「風天 渥美清のうた」>
著者森英介さんは、元毎日で俳句のコーナーを持ち、雑誌アエラの句会に
渥美清が参加していた、との情報に興味を持ち調査開始

各方面に埋もれている「風天」の俳句を、徹底調査し218首を発掘!
渥美清(田所康雄)が、寅さんを演じる内に隠された心象風景を掘り下げる

さすが、元毎日グラフ編集長としての真骨頂!




<森英介さんの風天・調査で印象的な三ヶ所紹介>

1)渥美さんファン井出さんの「渥美清こもろ寅さん会館」(2013年閉館)
            
  
  小諸で会社経営の井出さんが、渥美さんファンで私財投じ「渥美清こもろ寅さん会館」設立
  井出の親友・俳優関敬六から渥美を紹介、三人は1928年生まれで意気投合
  渥美に信州の名所を案内、小諸は第40作サラダ記念日の舞台に
  渥美から譲受けた国民栄誉賞や映画関係資料を多数陳列
  
  俳句3句を所有
  ・餅を焼く しょうゆの匂い ひと恋し
  ・信州の はなしする小父 指ふとく
  ・旅の人 信州の餅食いて 友想う
 
2)寅さんファン「牧師・関田寛雄」
        

  現役引退し神奈川県の巡回牧師。教会辞める記念品に「男はつらいよ」の全シリーズビデオを所望
  一作品で必ず三ヶ所の説教話しが出来るヶ所が有るとか!
  
  好きな風天句は多数有るが、「男はつらいよ」40作サラダ記念日から
  ・そば食らう歯のない婆(ひと)や夜の駅
  
  夜小諸駅で会った婆さん、結局その夜お世話になるストーリー
  渥美らしい小諸駅の婆さん描写の句
  
  亡くなる二年前1994年6月6日「アエラ句会」に投稿、これが辞世の句となる
  ・お遍路が一列に行く虹の中
  
  悩み辛い思いを抱えたお遍路が、一列に登って行く先に「瑞兆の虹」
  渥美さんから最高の贈り物の句だと!
  流石に関田牧師さん、素晴らしい説教的解説を感謝

3)ポン友「脚本家 故・早坂暁さん」
      
  ・お遍路が一列に行く虹の中 を詠った背景を知る早坂暁さん

  昔、早坂さんの故郷松山のお遍路道にあった百貨店を舞台に、桃井かおりの「花へんろ」
  を1985年から3シリーズ制作&放映。
  夕日の海岸沿いの山道をトボトボ一列になり登るお遍路、このタィトルバックに渥美清
  がナレーションを読んだ。
  
  早坂曰く、きっとこの風景が印象に残り、お遍路の登る先に「虹」を加えたらさぞ綺麗
  だと、詠んだのでは?
  





<その他印象に残った「渥美らしい」風天の句を少々>
 ・赤とんぼ じっとしたまま 明日どうする
 ・花びらの 出て又入るや 鯉の口
 ・初めての 煙草覚えし 隅田川
 ・はつ電話 笑顔のままで 受話器置き
 ・村の子が くれた林檎ひとつ 旅いそぐ 
 ・むきあって 同じお茶すする ポリと不良




<俳句から見る風天(渥美清&田所康雄)の心情風景>
森英介さん曰く
「風天俳句の原風景をたどってきて得た私なりの結論は、渥美清はきわめて孤独の人だが、
 その孤独をしっかり楽しんでいた粋な人でもあった」と。
    
    

「寅さん」人気が大きくなるほど、田所康雄がドンドン薄れてゆく。
病魔と闘い老いてゆく田所康雄は、ジッと耐え俳優渥美清=寅さんを演じ切って去った!
仮面を外し自由に素ピンになれるのが、唯一風天で俳句を詠む時!




愛しくて&ホロっとする作風は、ジッと耐えたのが肥やしだった?
素人の「渥美清・にわか研究」の道は、迷路多く遥か遠い・・・(´д`;)





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「寅さん」こと渥美清の死生観、読んで渥美さんを偲ぶ!

2021-03-18 21:48:36 | 趣味の読み物

    
   「男はつらいよ」のフーテンの寅さんで、一世を風靡した渥美清

<本・「寅さん」こと渥美清の死生観>

戦後高度成長期の1969年、TVドラマから映画化された「男はつらいよ」
寅さんを演じた渥美清と、晩年8年の交流を綴った本

タイトルの「渥美清の死生観」の文字が、目に留まり読むことに
「死生観」のショッキングなタイトルに惹かれました

作者は宗教新聞社に勤めていた寺沢秀明
命・魂・宗教に付いて文章を作る仕事だから、自然に出た表現か?

しかし、編集者だけあって文章は抹香臭く無く大変読みやすかった



渥美清との接触は、映画試写会場で同席になり、帰りお茶をすることに
渥美清が、寺沢秀明の人間の値踏みを一瞬で行い、親交OKになった様だ

    
俳優・森繁久彌曰く、渥美清は「日本一の演劇評論家」と

暇が有れば、同じ映画&舞台を場所を変え観劇、観客反応の違いを観察
(黒柳徹子のTV番組で、彼が話していた)

又、外出時に本屋があると、必ず立ち寄り演劇の本を購入
(演技力を深める勉強をしてたんだ、研究熱心で凄い!)

寅さんは賑やかで明るい役柄だが、渥美清本人は人付き合いが苦手
人へ気遣いしてしまい、「俳優業」以外では外部と没交渉を貫いていた
(家族や住まいのブライベート情報は一切洩らさなかった)

宗教新聞の寺沢秀明は、数少ない付き合える親友だった!
渥美清は死=無の考え方、死後の世界・魂の永遠・輪廻転生等信じない!

それが、寺沢秀明との対話を重ねる内に、耳を貸すように変わった
寺沢秀明の考えを無視せず、それを許す友人関係が成立していた



寺沢秀明へのコンタクトは、撮影が一段落した渥美から電話で!
彼が行きたい観劇・場所を伝え、寺沢が調べてアレンジする
但し、渥美清の名前を出さないのが、彼の条件

    
渥美清の代官山にある「勉強部屋」(マンション)に通えた数少ない人
渥美清が、演劇&芸術・俳優&舞台・人生・女性・幽霊話しを語りあえる仲に

売れっ子女優から、渥美清の「襟足」が綺麗だ!と褒められたのが自慢
生活の良し悪しが「襟足」に出る!褒めた女優は鋭い視点を持ってる、と

彼が、節制した生活を送っている自慢話しでもあった
(結核療養から復帰以降、酒・たばこ・コーヒー・賭博をしなかった)

幽霊話しでは、出る話を聞きつけ大磯の旧藩邸に二人で赴き、夜まで粘る
又、渥美がロケ地の旅館で夜金縛りにあい、翌日主人に聞くと昔事件が!


    
1993年『男はつらいよ』46作ロケ現場、瀬戸内海香川県志々島の渥美から
弱弱しい声で「体が動かない!来てくれ」の連絡があり、急遽現地へ!
寺沢秀明が、急遽島へ到着した時、渥美の元気は回復していたが

(どうも事実は、1991年に肝臓癌が発見され山田洋次監督にのみ伝えていた
 さくら役倍賞千恵子も悲報を受けるまで知らなかった)

ガン進行の事実は、寺沢秀明も全く知らされなかった!

逆に、寺沢秀明が胆石の手術したことを後で伝えると、生死に関わる病気を親友に
何故知らせなかった、と怒った!
(俳優渥美清としての付合と、本人田所康雄としての付合いを、分けていた?) 



彼の死後、気持ちの整理が付き、交流の8年間の記録を整理し出版
「渥美清の素顔を、是非この本で後世へ伝えておきたかった」




<渥美清=寅さん/考>

誕生:1928年3月10日 本名・田所康雄
病没:1996年8月04日 享年68歳

「男はつらいよ」
    1作:1969年
    
    
    ж実は、この年に田所康雄(渥美清)は、内密に出雲大社で結婚式をしていた!
    
     ↓
     ↓
    48作:1995年までシリーズが続く、世界的に例のないお化け映画に!
    


寅さんを演じた渥美清は、上野生まれで板橋育ち浅草演芸を愛した俳優

赤貧の家庭に生まれ、幼少期は欠食児童で病気がち、家でラジオを聴くのが唯一の楽しみ
徳川夢声の喋りが大好きで、皆の前で面白おかしく話をするのが得意であった
    

舞台が好きで若い頃浅草通が高じて役者に、狂気の喜劇を演じ好評を博した
       

不摂生な生活が祟り結核で片肺切除、療養生活から生還し浅草へ戻る
    

演技力向上を目指し、TV・映画に進出する
    TV 「夢であいましょう」1961年スタートでレギュラーの座を勝ち取る
    

    映画『沓掛時次郎 遊侠一匹』1965年(加藤泰監督)の身延の朝吉役は名演と評価
        




<1969年封切の「男はつらいよ」寅さん誕生秘話>

切っ掛けは、松竹社内の企画会議で「テキ屋の人情噺」制作が議論に

人情噺の落語が好きだった松竹の脚本家山田洋次を、監督に
浅草芸人で庶民派コントで笑いがとれる渥美清を、主演に

この二人の組み合わせで、「男はつらいよ」の映画製作が決定!

    
山田洋次と渥美清が、初顔合わせで会ったとたんに意気投合
渥美清は、テキヤの口上が子供の頃から大好きで、寅さん役として喋ると
山田洋次監督が大感激!

二人は一週間の泊まり込みで、葛飾柴又「フーテンの寅」像を作った!

威勢が良い口上
「泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、博打打ちの始まりが熊坂の長範」
「四谷赤坂麹町、ちゃらちゃら流れる御茶ノ水、粋な姉ちゃん立ちしょんべん」
    


フーテンのテキ屋稼業、全国の祭り縁日を飛び歩くが、旅先で「惚の字」が潰れると柴又の
妹さくらが働くおじさんの団子屋に舞い戻る
    

日本が高度成長時代に入りで忙しく働く庶民が、ホットできる「フーテンの寅」を愛おしむ
映画を観ながら「オイ、寅頑張れ」と、皆が声援を送った時代!

「フーテンの寅」が斜陽の映画界を救う、映画と国民が「One Team」、此れは凄い偉業!
寅さん、「嬉しい反面、驚きと戸惑い❣」があっただろぅネ❓
    



「男はつらいよ」寅さん役の渥美清、最後の作品まで演じ切ってくれて有難う
お疲れ様でした、ゆっくりおやすみ下さい 合掌
    

        


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