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佐伯泰英・古着屋総兵衛影始末「考」

2021-07-25 15:36:37 | 趣味の読み物
久しぶりに、佐伯泰英のシリーズ「古着屋総兵衛影始末」を投稿。

古着屋総兵衛影始末の着想は、明治の三田村鳶魚『江戸語彙』にあった!
「鳶沢某なる夜盗が家康に許されて鳶沢町を造ることを許され、古着商い
の権利を得た」という、短い記述から本作品を着想。




古着屋総兵衛・その発足

慶長八(1603)年江戸城建設当時、全国から無宿浪人が集まり、江戸の治安が悪化
し犯罪が多発。
頭を痛めた徳川家康は、盗賊一派のドン鳶沢成元を捕えさせ、悪人退治に就かせ
「毒をもって毒を」制し成功した。

その見返りに、鳶沢成元へお城近くに鳶沢町(後に富沢)を作るコトを許し、又古着
「商」と流通総代として鑑札を与えた。

鳶沢成元の
表の顔・日本橋富沢町で古着屋を「商」う元締めの「大黒屋総兵衛」
裏の顔・徳川家護持に、影旗本として鳶沢一族軍団の指揮を鳶沢成元に命じた。





古着屋総兵衛一族と、「影」の存在

元和二(1616)年四月二日家康の死の床に、密かに大黒屋総兵衛=本名鳶沢成元が
呼ばれ、全ての者が遠ざけられた。
その遺言は、『家康の死後、鳶沢成元一族の任務と、別途任務を指示する「影」
の存在』が伝えられた。

流石、狸ジジィ家康! 
徳川家護持の、実行役鳶沢成元一族と、指示役の役「影」の役割を分けた!






六代目古着屋総兵衛の物語・第一作「死闘」

時は流れ、元禄十四(1701)年松の廊下刃傷事件と赤穂浪士討ち入り。
大黒屋は六代目総兵衛=鳶沢勝頼の時代・第一作「死闘」が始まる。

徳川吉宗の側用人柳沢吉保が暗躍、徳川護持の鳶沢一族と激突する。
大黒屋総兵衛は、家康より下賜の名刀「葵の三池典太光世」で戦う。

総兵衛が使う剣法は、戦国時代の気風を残す「祖伝夢想流」。
相手の間合いに素早く入り込み、太刀を舞うように振るう。

更に総兵衛考案の「落花流水剣」は、落花と流水が円運動でエンドレスに舞う秘剣、
吉保が送込む敵をバッタバッタと薙ぎ倒す。

物語に、鳶沢一族の本家や分家、やたら登場人物が多い!
毎巻ごと、主要登場人物表が付いている。





古着屋総兵衛影始末から、新・古着屋総兵衛影始末へ

2000年スタートの古着屋総兵衛影始末、第11巻『帰還』で第一部終了。
現在、第8巻の「知略」を読破中!


好評に付き、2011年から時代を変え新・古着屋総兵衛影始末スタート。
第1巻『血に非ず』から第18巻まで。


続けて読むぞ!




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