フーズムのシュトルム記念館で買った詩集。
『湖畔(みずうみ)』の対訳本と原作本。
神田の北澤書店で見つけたシュトルム。
「さびしい町」 テオドール・シュトルム
はい色の海とはい色の岸べ
そこにおかれた小さな町———
一日霧が家々の屋根をおさえ
単調な波の音が
ひっそりとした町をとりまいている
風にゆれる森もみえぬ 五月の鳥の
にぎやかなさえずりもきこえぬ
たださえわびしい秋の夜空を
カリがないてわたるばかり
すな地の海岸でいつも雑草がひらひら風にふかれている
ああ はい色の海べの町よ
しかしぼくはけっしておまえをわすれない
かなしいはい色の町よ
ぼくの美しい青春が
いつまでもおまえのふところにだかれている
(大山定一訳)
詩「さびしい町」が収録されている。
『少年少女世界文学全集 ドイツ古典編』(講談社)