昭和36年で200円という定価にも驚き、高橋という検印証が貼られているのも懐かしい。
因みに私の子ども時分の『アルプスの少女』は講談社の『少年少女新世界文学全集』は昭和38年で420円。
こちらは、他の児童文学二編『愛の一家』『七つの山のかなた』と詩が物語と物語の間に収録されている。
ページ数は422で22cm
掲載写真の小学館の方は『アルプスの少女』のみでページ数は317で17cm。
こんな比較も、時代が感じられて興味深い。
作中、賛美歌の訳は、どちらも文語体に近く語彙表記も“まなこ”など古くさいけれど、大畑末吉に比べ高橋健二の方がまだやわらかい。
我が家現存の『ハイジ』4冊目。
これは夫が、子ども時代に読んだ本。
夫の実家を取り壊すことになって、そこから救出した本です。
『アルプスの少女』は野上弥生子や村岡花子は、英文からの翻訳でが、高橋健二は当然、独文からの翻訳。
それで思わず、笑ってしまったのは、時代なのか、野上や村岡に気遣いをしたのか、ヨハンナ・シュピーリJohanna Spyri を英語の発音に近いスピリと表記していることである。
さて、序文に書いてある高橋健二の文章こそ、『ハイジ』を受容する日本人の普遍的な心裡だろう。
そして、これこそが『高畑ハイジ』(TVアニメの『ハイジ』)に踏襲された概念だと思う。
これから、上田真而子訳と、矢川澄子訳も読む。
エッセイの為の資料ということではあるけれど、これらの新旧著名な翻訳者を読むのは、とても面白い。
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