ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇ 高校生の時の読んで衝撃を受けた3冊 『アメリカひじき・火垂るの墓』野坂昭如 『悲しみよ こんにちは』サガン 『沈黙』遠藤周作

断捨離箱の本。
高校生の時に読んだ本。

『火垂るの墓』はジブリアニメですっかり有名になったけれど、
当時、高校生の私は『アメリカひじき』にも相当な衝撃をうけた。
敗戦後、アメリカ進駐軍がやってきて、その時の市井の人々が描かれている。
『火垂るの墓』の悲しさとは、またちがう悲しみがある。
ただ、"可哀想な話し"ではなく、戦争には、なにひとつ正義はなく、正当化する理由も根拠もない。

今、大人になって、気付くことは、野坂の描く作品は、
いつも世間という場所から沈んでいく人々を描いていた。

 

フランソワ・サガンの小説。
女性関係の派手な父親に、本気で再婚しようとする相手が現れ、17歳の娘が彼女を徹底的に排撃するという小説。
と書いてしまえば、たった1行で説明できてしまうが、その少女セシルの心象描写は、朝吹登美子の名訳もあってこそだろうが、素晴らしい。
確か、サガン自身も主人公とほぼ同じ年代で、この作品を書いたように思う。

フランス文学でモーパッサンとか昔の巨匠文学ではなく、若い女性の現代作家の小説だということも、興味津々とわくわくしながら読んだ記憶がある。
モーツアルトやショパンなんかを聴いていたときに、サティに出会った感じだ。

 

江戸時代のキリスト教禁教と、キリシタン迫害の物語。
一人のパードレが、徹底的な拷問を受ける中、神と自らの信仰について問い続ける物語。
パードレは、結局、踏み絵を行うのだけれども、再読してみなければ、確かなことは言えないが、当時の私の理解では、神は形に象徴されるのではなく、自らの信仰の思いの中、あるいは果てにこそ存在するという考えに至ったと思った。
そして、それは"転び"ではなく、プロテスタントということではないかと思った。
遠藤周作は、終生、カトリックの信者でしたが。

これは、高校2年のころに、読んだように思う。

 

断捨離箱は、古いアルバムに、似ている。

 

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