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耳がトラブってから、とても気になってしまうことは、テレビの音。
それに人の声。
それらが、頭のなかでドカドカと暴れるようにうるさく感じられて、テレビもオフにし、家人にも、話しかけないように言う。
晩ごはんは、ロールキャベツを作った。
それで、家人と私は、いつもテーブルを直角の位置に座るので、お互い正面の壁をみつめ、なにも語らず、黙々と食べた。
なんか、コントをしているみたいで、笑ってしまった。
身体が悪いわけではないから、私は、普通に家の中にいるんだけれど、
一番、なにもかもが、煩わしくない場所は、台所で、結局、ほとんど、台所にいる。
今までも、台所にいるのが好きで、深夜でもゴチョゴチョとやっていたけれど、ここ一週間ほど、かなり好きになっている。
台所にいて、冷蔵庫や、レンジフードや、眺めていると、心が空っぽになる。
頭も、空っぽになる。
欠如した感覚が、消えてゆく。
どんな内容だったか、忘れてしまったけれど、吉本ばななの『キッチン』という小説を、思い出す。
確か、キッチンに座り込んでいると、妙に落ち着くという女子大生の話だったような気がする。
……なんか、わかるなぁと思う。
きっと、春の引っ越しの時に捨てたにちがいない。
昔、読んだ本を大量に処分したから。
ネットで検索してみた。
これだ、これだ、と思う。
福武書店だったのかと、思う。
1988年初版だったのか、と思う。
あらすじ紹介を読んでみた。
私の記憶とは、だいぶ、違っていた。
あはははは
今度、街へ行ったら、本屋さんで文庫を買おうっと。