ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◆ 『キッチン』 吉本ばなな 福武書店

                       

 耳がトラブってから、とても気になってしまうことは、テレビの音。
 それに人の声。

 それらが、頭のなかでドカドカと暴れるようにうるさく感じられて、テレビもオフにし、家人にも、話しかけないように言う。


 晩ごはんは、ロールキャベツを作った。
 それで、家人と私は、いつもテーブルを直角の位置に座るので、お互い正面の壁をみつめ、なにも語らず、黙々と食べた。

 なんか、コントをしているみたいで、笑ってしまった。

 


 身体が悪いわけではないから、私は、普通に家の中にいるんだけれど、

 一番、なにもかもが、煩わしくない場所は、台所で、結局、ほとんど、台所にいる。

 今までも、台所にいるのが好きで、深夜でもゴチョゴチョとやっていたけれど、ここ一週間ほど、かなり好きになっている。

 
 台所にいて、冷蔵庫や、レンジフードや、眺めていると、心が空っぽになる。
 頭も、空っぽになる。
 欠如した感覚が、消えてゆく。

 



 どんな内容だったか、忘れてしまったけれど、吉本ばななの『キッチン』という小説を、思い出す。
 確か、キッチンに座り込んでいると、妙に落ち着くという女子大生の話だったような気がする。

 ……なんか、わかるなぁと思う。


 きっと、春の引っ越しの時に捨てたにちがいない。

 昔、読んだ本を大量に処分したから。


 ネットで検索してみた。


 これだ、これだ、と思う。
 福武書店だったのかと、思う。
 1988年初版だったのか、と思う。


 あらすじ紹介を読んでみた。

 私の記憶とは、だいぶ、違っていた。
 あはははは


 今度、街へ行ったら、本屋さんで文庫を買おうっと。

 


 

 

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