ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇ 加筆up『朗読者』 ベルンハルト・シュリンク  Bernhard Schlink (原著),  松永 美穂 (翻訳)   新潮文庫

『朗読者』 ベルンハルト・シュリンクBernhard Schlink 著 松永美穂 訳 新潮文庫



晩ご飯のあと、アマゾンプライムで『愛を読むひと朗読者』を見た。
見ていて原作が『朗読者』であることに気付いた。

随分前に読んだ『朗読者』の記憶と映画の内容が違っているように思え気になるので、本棚を一生懸命探したが、取りあえず見つける事ができなかった。
私の勘違いかと思い、検索してみたら、やはり『朗読者』と『愛を読む人』は、多少内容が異なることが分かった。

映画は大体、そういうものだと思いながらも、原作で感じたハンナ・シュミッツの個性が映画では、ちょっと端折られ過ぎているように思う。

それにしても重い内容である。
ハンナはナチの強制収容所の看守だったのだが、ハンナが発する言葉だったり、他の看守の証言だったりが、映画の字幕制限があるにしても、若干ステレオタイプのような日本語表現に、なにやら、陰鬱な気分。

私だけの、思い過ごしというか、深読み過ぎるのかも知れないけれど、ハンナ・シュミッツの裁判時の受け答えのセリフが、ハンナ・アーレントのアイヒマンに対する認識と微妙に重なってしまうのだ。
ハンナ・アーレントが、『責任と判断』(ジェローム・コーン編 中山元訳 ちくま学芸文庫)で書いている“独裁者のもとでの個人の責任”を彷彿とさせられるのだ。


『朗読者』がどうにも気になって仕方がないので、この際、アマゾンに発注した。

それにしても、ここのところ、立て続けに松永美穂さんに縁があるなぁ。


映画『愛を読むひと朗読者』日本版予告編 The Reader Movie Trailer


ハンナの役を演じたケイト・ウィンスレットは、すっかり渋い女優になっていた。
私の好きなブルーノ・ガンツも出ていた。

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