一気に、読了。
一呼吸、置いて、二度読み。
いとうみくは、本当につくづく、凄い作家だなぁと思った。
ふらっと読み過ごすような、あたりまえな状況、場面、関係、の表現、描写に、私の瞳孔が見開かれてしまうような感覚。
インパクト、多大。
こういう言葉、センテンスを描くのかと、凝視してしまう。
この人は、なにと向き合っているのだろう。
なにと、向き合おうとしているのだろう。
なにと、向き合おうとしているのだろう。
この作家は、ずっと、追い続けているのだ、と思う。
P.153
一人で生きていけるようになりますか (引用)
自らの夢ではなく、生きるための仕事として、許されるかもしれない。
(引用)
パンドラの箱を開けた者でも、「一人の」人として生きていくためという、そういう仕事、エゴイスティックな夢ではなく、人に、なにか普遍の存在意味があるとするなら、その人としての生きていく選択があるのかという、問いに思えてならない。
とても、よい本を読めた。
読書好きにとっては、それが一番だ。