ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇『夜空にひらく』    いとうみく 著   アリス館


一気に、読了。
一呼吸、置いて、二度読み。

いとうみくは、本当につくづく、凄い作家だなぁと思った。

ふらっと読み過ごすような、あたりまえな状況、場面、関係、の表現、描写に、私の瞳孔が見開かれてしまうような感覚。

インパクト、多大。

こういう言葉、センテンスを描くのかと、凝視してしまう。


この人は、なにと向き合っているのだろう。
なにと、向き合おうとしているのだろう。

この作家は、ずっと、追い続けているのだ、と思う。

P.153
  一人で生きていけるようになりますか (引用)

  自らの夢ではなく、生きるための仕事として、許されるかもしれない。
  (引用)



パンドラの箱を開けた者でも、「一人の」人として生きていくためという、そういう仕事、エゴイスティックな夢ではなく、人に、なにか普遍の存在意味があるとするなら、その人としての生きていく選択があるのかという、問いに思えてならない。

とても、よい本を読めた。
読書好きにとっては、それが一番だ。







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