秋の雨の日には、かならず脳裡に過ぎる本。断頭台に露と消えた辛亥革命の志士秋瑾。武田泰淳、渾身の評伝。巻末の鶴見俊輔の「主人公とは誰か」も名文。秋瑾は、ローザ・ルクセンブルグと同時代。二人に遅れて、第2次世界大戦中にゾフィ・ショル。ローザ・ルクセンブルグは、何者かに撲殺され、ゾフィ・ショルは、秋瑾とおなじに断頭台、ギロチンで斬首。彼女たちは、その短い人生、己の志しを見失うことなく生き抜いた。秋霖の大通り公園。