タイトルの『セパ!』は、セリーグとパリーグの略ではない。
セパタクローというスポーツを扱っているのは、いいと思う。
タイからの帰国子女で、セパタクローに詳しく情熱を持っている謎の小学生という、この設定とキャラクターは面白かったが、肝心の主人公のキャラクターや、置かれてる環境が、平易。さらに書き込みが足りないので、場面転換が唐突過ぎる。
それに結末への持って行き方が、なんとも安易。
セリフだけで展開する場面も多いのがちょっと気に掛かる。
奏のフォルテ』(黒川裕子)講談社
書き手は音楽好きなのだろうか。
参考資料もどっさりで、きっとしっかり勉強をしたのだろう。また協力者として音楽家の名前も挙げられている。
多分、楽器、演奏などについては、正確に表現されているのだろう。
しかし中2男子の描写とそのレトリックの手法が、まったく共感できなかった。
今や、スポーツ、将棋、音楽、あらゆるジャンルで天才10代が出現し、世界と渡り合って闘い好成績、あるいは好結果を記録している時代である。
とくに今年は、すごかった。
そういう現状を踏まえると、ホルンやオーボエという楽器の奏者に14歳の天才がいたとしても、なんら不思議でもない。
楽器や、音楽や、奏法や、楽譜の理解への取材だけではなく、この書き手は、14歳の少年、あるいは少女たちをを、生取材したのだろうか。
こういう作品は、読み終わった時、そこに描かれている世界に憧れたり、興味をもたれてこそ、ナンボ?、というものではないだろうか。
『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』(こまつあやこ)講談社
これも帰国子女の物語。
五七五七七の短歌をマレーシア語の数字で言うと、『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』。
この発想もタイトルも、とても良いと思う。
しかし、ここでも、どうも主人公女子がね〜、描き切れていないと思うんです。
二年半、マレーシアに在住して、日本人の補習校にも通っていて、これほど、日本から浮世離れしますかね〜。
この作品が、講談社児童文学新人賞。
以上、この3日間で読んだ本。
ついでに、今日の晩ごはん。
茄子とマイタケの素揚げ。
大根と豚バラの角煮。
わかめの油揚げの味噌汁。
出汁巻き玉子。
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