平瀬司法書士・行政書士事務所のブログです!

日常の業務の中で感じたことなどを、できるだけ分かりやすく書いていきたいと思っています。

朗報です。相続登記の費用が安くなりました。

2022-04-05 16:17:21 | 相続・贈与・高齢者の財産管理

相続登記の登録免許税の免税範囲が拡大されました。

つまり、相続登記の費用が安くなったと言うことです。

今年の4月1日からです。

 

少々詳しく書きますと、

相続登記に必要な費用は、司法書士報酬と実費です。

実費の主なものは登録免許税です。

登録免許税を国に納めないと相続登記はできません。

その登録免許税の免税範囲が拡大されました。

いままでは、固定資産評価額が10万円までは無税でしたが、100万円に拡大されました。

1個の不動産につき100万円までですから、農地や山林はほとんど該当すると思います。

従来だと100万円の不動産の登録免許税は4000円でしたが、現在は0円です。

不動産が多数有れば節税額はもっと多額になります。

当然、利用すべき制度です。

 

相続・贈与・遺言は、早めの相談 早めの安心♪

認定司法書士・行政書士 平瀬清文

平瀬司法書士・行政書士事務所


高齢者の財産管理は大問題です。

2021-10-15 13:34:07 | 相続・贈与・高齢者の財産管理

近頃つくづく感じることは、高齢者の財産管理の重要性です。

高齢者の平穏な生活を維持するために「高齢者の財産管理」が必要です。

 

私が「高齢者の財産管理」の重要性を強く感じるのは、高齢者の財産が大きく侵害される事件に最近しばしば接するからです。

多くの場合、高齢者に対する虐待を伴います。

虐待を伴い財産を奪われると、「終活」などと悠長なことを考える余裕はありません。

私の接した事件の加害者は、すべて身内です。

実際、世の中には相当数の事件が隠れていると思います。

身内の問題なので外に出にくい側面があります。

高齢者が我慢をしたり、どう対処して良いのか判断できないまま時が経過してしまうようです。

 

今年7月に、私は「相続」と「高齢者の財産管理」をテーマに、それぞれセミナーを開催しました。                      

事前の予想通り、「相続」の方が反応は多かったのですが、私は「高齢者の財産管理」にもっと関心を持って欲しいと思います。

まずは高齢者自身がもっと認識すべきです。

上記のような事件以外に、特殊詐欺や訪問販売被害なども考えられます。

自分には無関係と思う人が多いと思いますが、実際はそうではありません。

高齢者人口の95%超は、高齢者の1人世帯と高齢者の夫婦2人世帯です。

高齢者の夫婦世帯も、いずれは高齢者1人世帯になります。

そして、人間の体力・判断力は徐々に衰えていきます。

ですから、いつかは自分の財産を誰かに管理してもらう必要が出てきます。

自分の財産を管理してくれる人が聖人君子なら良いのですが、実際はそうではありません。

財産を奪われ虐待を受けて、悲惨な老後を過ごすことになる可能性は誰にもあります。

 

ですから「高齢者の財産管理」は大きな問題だということです。

よくよく検討し準備しなければなりません。

なにより高齢者本人が、しっかりした認識を持つことが大切です。

 

ちなみに、「高齢者の財産管理」の代表的な制度としては成年後見制度がありますが、利用は未だに低調です。

また、本人の能力が低下していない状態では利用できません。

成年後見制度以外にも、財産管理委任契約など対策はありますが、様々な条件をクリアーする必要がありハードルは高いと感じます。

 

いま話題の映画『老後の資金がありません』が近々公開されます。

老後の資金が2000万円不足すると言われている現在では、老後資金の不足が心配の種で、そんな事情をコミカルに描いた作品のようです。

ただでさえ老後資金の不足が懸念される昨今、上記したように虎の子の財産を奪われたら目も当てられません。

老後資金に余裕のある人でも、身内などから奪われたら瞬く間に無くなってしまいます。死後の心配よりも、まずは自分の老後の生活を心配すべきです。

つまり、自分の財産の管理を優先して考えるべきだと思います。

 

司法書士・行政書士 平瀬清文

平瀬司法書士・行政書士事務所


ご存じですか?相続登記制度が新しくなりました!

2021-10-06 11:06:24 | 相続・贈与・高齢者の財産管理

令和3年4月、「所有者不明土地問題」を防ぐための法律が成立し、相続登記が義務化されました。

令和6年からスタートする予定だそうです。

新しい制度では、正当な理由がないのに、不動産の相続を知ってから3年以内に相続登記の申請をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

例えば、相続人が多くて必要な資料を集めるのが難しい場合などは、罰則の対象にならないそうです。

遺産分割をしないまま相続が繰り返されると、相続人はどんどん増えていきます。(まれに相続人不存在ということになることもありますが・・・)

長年放置した相続をいざやろう!と思ったときには、多大な時間と費用がかかると思います。また、遺産分割の協議がスムーズにはいかない危険性もあります。

遺言があれば問題ないと思いますが、ない場合は早めに手続するほうが良いと思います。

「相続・贈与・遺言は、早めの相談 早めの安心!!」

平瀬司法書士・行政書士事務所

補助者 平瀬 広子


困難な相続でもあきらめずに!!(2)

2019-03-13 06:37:05 | 相続・贈与・高齢者の財産管理

数年前の相続ですが、80歳ぐらいの奥様が急に亡くなったという件がありました。
残された相続財産は銀行の預金です。
奥様が長年、夫の収入の中から少しずつ預金されたものでした。
夫の収入だったので、夫名義の銀行口座にしておけば問題は無かったのですが、奥様名義の口座にしておいたので厄介でした。
奥様の死亡後、夫が預金の解約のために銀行に行きましたが、相続人の書類を揃えないと解約できないと言われ、私に依頼されたという経緯です。

子供が無い夫婦でしたので、相続人は奥様の甥姪が中心で、全員で18人でした。
残された夫にとっては、大半は全く見知らぬ人でした。
紆余曲折があって、数ヶ月後にやっと終了しましたが、あらためて相続に備えることの大切さを痛感しました。
特に子供が無い人の場合は、早めに備えておくべきです。

平瀬司法書士・行政書士事務所


困難な相続でもあきらめずに!!(1)

2019-03-07 06:42:34 | 相続・贈与・高齢者の財産管理

以前、非常に困難な相続を終了させたことがあります。

相続人が17人、当然ですが配偶者と直系卑属(子や孫)が相続するというパターンではありません。
ブラジルに在住する人が3人、生存していれば100歳超だが10代以後の戸籍の記載が無い人が1人、高齢で意思表示が不可能な人が1人、文書は受け取るが一切反応が無い人が1人という大変なものでした。
当たり前ですが、遺言はありません。

当初の依頼から約2年かかりました。
戸籍収集の段階から、遺産分割協議成立が無理なのは分かっていたので、依頼人との協議の結果、遺産分割調停を申し立てました。
調停も不成立の可能性が高く、当初から審判で終了するだろうと予測していましたが、そのとおり審判で終了しました。

費用がどれぐらいかかるのか?
いつになったら終わるのか?
私の報酬は、いくらになるか?
など、依頼人には想定しにくい事項が沢山あったと思います。
私としても、あまりにも多くの難しいことが有りすぎて、簡単に思い出して記載することが出来ないほどです。

しかし、よく終了させたと思っています。
調停委員も感心していました。

裁判官を筆頭に、書記官や調停委員の助言や協力の御陰です。

ねばり強く、根気よくやれば、終了できない相続は無いと思います。
するだけの価値が無ければ別ですが・・・。

平瀬司法書士・行政書士事務所